ティアフォー社長が語る「自動運転」日本の勝ち筋 ソフトだけでなくデータのオープン化がカギ
――自動運転用ソフト「オートウェア」の現在の実績は?
「オートウェア・ファンデーション」というコミュニティがあり、世界中のメンバーが開発に参画している。オートウェアの利用は国内外200社以上。当初は自動車メーカー以外から、今は自動車メーカーにも広がってきた。商用車では製品への組み込みも始まっている。
オープンソースは開発の方法論、顧客には関係ない
――オープンソースなので無償で公開されています。それでビジネスになるのでしょうか。
オープンソースというのは開発の方法論でしかない。スマートフォンの基本ソフト(OS)であるAndroid(アンドロイド)は一般にオープンソースとされる。ただ、スマホユーザーはそんなことを気にしていない。ほとんどのユーザーは製品やサービスのQCD、つまり品質、価格、納期にしか興味がない。
ティアフォーのビジネスにとって、オートウェアがオープンソースであるかどうかは関係ない。いかにQCDを改善するかという当たり前のビジネスをやっている。
――オートウェアはアンドロイドのようなものである、と。
アンドロイドを意識しているが、理想はLinux(リナックス)だ。
――違うのですか?
アンドロイドはグーグルがリナックスを改造して作ったソフトだ。グーグルに属しており、アンドロイドからリナックスへの還元はない。つまり本当の意味ではオープンソースとは言えない。一方、リナックスはどこにも属しておらず、リナックス・ファンデーションが主導するコミュニティで開発している。コミュニティの開発成果がリナックスに反映される。
オートウェアはリナックスのようにみんなで育てていく。いずれにせよ、オープンソースは売り方ではなくソフト開発の方法論だ。