斎藤知事「パワハラ問題」謎に包まれたままのこと 斎藤知事「告発→失職→復活」までの経緯(上)

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

結果的に百条委員会は開催されることになったが、その審議の最中の7月7日、元局長が実家で自死した。

19日の百条委員会に出席の予定だった元局長は、その準備に勤しんでいた。ただかなりの“横やり”が入っていたようで、元局長は2日、同委員会に代理人を通じて、後に斎藤氏が形勢を逆転するきっかけともなる元局長自身のプライバシーへの配慮を要請している。百条委員会理事会は元局長が自死した翌日、プライバシーに関する資料開示を認めないことを決定した。

にもかかわらず、元局長のプライバシーは侵害されていた。日本維新の会の堀井健智衆院議員(当時)は9月2日に兵庫県加古川市内で街頭活動中、有権者に元局長のプライバシー情報を暴露し、藤田文武幹事長に注意を受けた。

藤田氏は11日の会見で、堀井氏の情報源について「複数だと認識している」とし、百条委員会開催に反対していた県党幹部からの情報漏洩は「考えにくい」と述べている。

誰が元局長のプライバシーを漏らしたのか

となると、誰が堀井氏に元局長のプライバシーに関する情報を流したのか。筆者は斎藤知事の側近の1人が今年4月、元局長のパソコンから告発内容に無関係のコピーをプリントアウトして持ち歩き、周囲に誇示していたとの話を耳にした。

上司である斎藤知事はこれを否定したが、仮に側近が情報を漏らしていたとしたら、地方公務員法第34条1項前段の「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」に抵触し、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に科せられる可能性がある。

一方で、元局長が告発文書で指摘した斎藤知事の「パワハラ」の証拠は積み上がっていった。兵庫県が9700人の職員を対象に行い、うち6725人から回答を得たアンケート調査では、斎藤知事のパワハラを「目撃(経験)等により実際に知っている」と140人が回答し、「目撃(経験)等により実際に知っている人から聞いた」と800人が回答。さらに「人づてに聞いた」と回答した1911人を加えると、回答者の42%がなんらかの形で斎藤知事のパワハラを知っていたことになる。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事