北海道で"映画と美食の祭典"が立ち上がった背景 大泉洋ら所属事務所が新たなチャレンジに挑む
サン・セバスティアン映画祭の目玉企画となるカリナリー部門は、世界各国の食をテーマにした作品を上映し、上映後にその作品に関連するフルコース料理が提供されるという、サン・セバスティアン映画祭屈指の人気部門だ。
サン・セバスティアン映画祭で見た光景
「サン・セバスティアンはバル街がある食の街。ミシュランの星を獲得しているお店がたくさんあり世界屈指の美食の都と呼ばれていますが、もしかしたら北海道がサン・セバスティアンに匹敵する場所になるのではと思ったのです。
それはなんといっても食材の素晴らしさですよね。海のものもあるし、山のものもある。だから、北海道でこそ食の映画祭をやるべきだと思い、いつかサン・セバスティアン映画祭に行ってみたいと思うようになりました。
ですが毎年選ばれるのは10作品だけ。毎作品エントリーして、3本目となる2019年の『そらのレストラン』のときにディナー付きプレミア上映作品に選出されることとなりました」
「映画祭で映画を観たあとバル街に行ったり、その作品をイメージしたおいしいディナーを食べながら映画の話や食の話をしたりと、参加者が国境を越えて、言語を越えて楽しそうにコミュニケーションしているのです。実際に体験をしてみて、これは絶対に日本で、北海道で開催すべきだと意気揚々と帰国したのですが、その翌年新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行となってしまいました。
ただ、コロナ禍の中でもいろいろな人たちにこういうことをやりたいという構想は言い続けていました。10年間で3本の映画をプロデュースして、生産者の方々やシェフ、そして映像関係者など多くの人たちと出会うことができました。
北海道には素晴らしい食材があって、素晴らしい生産者がいる。映像という要素がプラスされることによって、北海道の食をより身近に感じて、それを次の世代につないでいく可能性につながる。それが北海道で映画祭をやる意味なのではないかと思いました。
映画に詳しくなくても楽しめる映画祭にしたいという気持ちもありました。サン・セバスティアン映画祭で体験した、作品を観た後にみんなでバルに行って、「どこの国から来たの?」「何の映画を見たの?」とか、「あれよかったよね」と、一緒に食事を楽しみながら、おいしいね、とみんなで乾杯しあえる、食の映画祭ならではの楽しみ方を提案したいと思っています」
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