「#MeToo」追放セレブ、その後も続く苦難の日々 無罪となったケビン・スペイシーもマイホームを失う
数々の裁判で弁護士代が膨れ上がり、まだ払いきれていないスペイシーは、無念にもマイホームまで失ってしまった。今こそお金が必要なのに、7年前までオスカー俳優にふさわしいギャラを文句なしに払ってくれた人たちは、そっぽを向いたままなのである。
『スパイダーマン』出演俳優は、もっと厳しい
裁判で示談となったジェームズ・フランコは、より厳しい。『スパイダーマン』三部作や『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』、『オズ はじまりの戦い』などメジャースタジオの大作に出演し、『127時間』でオスカーに候補入りしたフランコは、自身がオープンした演技スクールで、オーディションと称しては女性の生徒に性的な演技をさせたり、時には相手役を務めて不適切な行動を取ったりしたうえ、それらをビデオ録画もしていた。
「#MeToo」勃発後、生徒たちは賠償金と録画映像を返してもらうことを要求し、フランコを集団訴訟。フランコは220万ドルを支払うことに合意、スクールは閉鎖され、この件は解決した。しかし、フランコのキャリアが受けた致命的なダメージは修復できていない。
フランコと何度も共演し、個人的な友人でもあったセス・ローゲンも、最初のほうこそ少し余地を残す発言をしてはいたが、今ではもう組まないと言っている。
「#MeToo」後に公開されたインディーズ映画『ゼロヴィル』、アニメーション映画『Arctic Dogs』は、いずれも「#MeToo」前に製作されたものだ。
ただし、この夏ヨーロッパの一部の国で公開された『The Price of Money: A Largo Winch Adventure』は、2023年に撮影されている。監督はベルギー人で、映画はベルギーとフランスの合作。1970年代にレイプ事件でアメリカを逃亡したロマン・ポランスキーや、「#MeToo」で1990年代の養女虐待疑惑にまた脚光が当たったウディ・アレンもヨーロッパで活動を続けているし、キャンセルされた業界人には海外という手があるということだ。
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