「トイレをきれいに」より圧倒的に効果的な文言 人を動かすナッジと逆効果を生むナッジとは

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3. 強制(力ずくで動かす)

それでも間隔をあけない人には、最終手段として、警備員が力ずくで間隔をあけさせます。これは強制力での行動であり、本人の自発性はゼロです。

4. ナッジ(認知バイアスに訴求して動かす)

例えば床に2メートルおきに足跡シールを貼ると、それに合わせて足を置きたくなるもの。これがナッジです。

最初の「情報提供」で動いてくれればいいのですが、それでも行動が変わらない場合、一般的にはインセンティブを設計するなどして、動かそうとするのではないでしょうか。しかし、インセンティブは設計によっては逆効果になることがあります。次のケースをご覧ください。

インセンティブは設計次第で逆効果になる

昔、コブラの被害に悩まされていたインドでは、政府が「コブラを捕まえて、その死骸を役所に持ってきた者に報奨金を与える」とお触れを出しました。そこで住民が報奨金目当てにコブラの飼育を始めました。
しかし、住民が報奨金目当てでコブラを飼っていると知った政府は、報奨金を出すのをやめることにしました。すると住民はコブラを育てる動機がなくなり、かといって殺すのも面倒なので放置してしまい、逃げ出したコブラは大いに繁殖。お触れを出す前よりコブラが増えてしまいました。

このように、インセンティブは、設計した人が意図しない行動を引き起こす可能性があります。

ビジネスでも同様です。例えば「ドラフトで指名した選手が入団したら、ボーナス支給」という制度にすると、スカウトたちは欲しい選手の交渉を頑張るよりも、確実に入団する選手を指名するようになると想定されます。これがインセンティブ設計の難しさです。

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