「移民・難民をアフリカへ」知られざる欧州の転換 受け入れの理念から強硬策へ舵を切る国々

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EU加盟国が難民受け入れ制限に踏み切る際、モデルとして持ち出されることが多いのがデンマークの難民政策だ。

デンマークは2019年の「パラダイムシフト法」によって、難民政策の重点を支援削減や送還促進に移した。それまではデンマーク社会への統合を図ってきた難民を、一時的に滞在しいずれ母国に戻る人々として位置付け直した。

デンマークはEU加盟時に司法・内務協力分野はオプトアウト(opt-out=適用除外、留保)しており、EUの難民の割り当てを受け入れないなど、もともと難民問題について独自の政策を取っている。

右派政権が政策転換

スウェーデンはドイツと並んで寛容な難民受け入れ策を取っていたが、2022年10月に発足した右派連合政権が、デンマークをモデルに「パラダイムシフト」を掲げ、移民・難民政策の転換を進めている。

具体的な政策は、移民労働者は一定水準の給与を得られなければ在留を認めない、家族の呼び寄せを制限、送還を促す支援金の増額――などである。人権団体などからの批判を浴びながらも効果的で、2024年の難民申請者数は2000年以降最小となり、スウェーデンへの流入者は流出者を下回るまでになった。

オランダも、2024年5月に右派ポピュリズム政党「自由党」主導の内閣ができたことに伴い、家族呼び寄せの制限、国境管理強化、公共住宅の優先的な割り当て廃止など、移民・難民政策を厳格化した。EU共通難民政策からのオプトアウトも求め、9月、EU委員会に通告した。

ハンガリーもそれにならい、9月、EU共通難民政策からオプトアウトする方針を明らかにした。

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