有料会員限定

環境政策への関心が急速に弱まる欧州の有権者 6月の欧州議会選挙、7月の英国総選挙の争点

✎ 1〜 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
フランス・ストラスブールにある欧州議会。27の加盟国から直接選挙で選出された議員で構成される(写真:MassimoParisi /PIXTA)

欧州連合(EU)では、6月6日から9日にかけて、欧州議会選が行われる。フランスのストラスブールにある欧州議会は、EUの立法府に相当する重要な機関だ。執行部局である欧州委員会が策定したさまざまな法案を、EU加盟国の閣僚によって構成される閣僚理事会とともに審議し、立法化するのが、その主要な役目となる。

また欧州議会は、欧州委員会のトップである委員長の選出にも、大きな影響力を持っている。2期目を目指している現職のウルズラ・フォンデアライエン委員長が再任されるためには、欧州理事会(EU加盟国の大統領や首相により構成される機関)による指名を受けたのちに、欧州議会による承認を受ける必要がある。

EUが外国と結んだ条約を発効する際にも、欧州議会による同意が必要となる。言い換えれば、欧州議会が同意しなければ、EUは外国と結んだ条約を発効することができない。端的な例として、EUが中国と締結した包括投資協定(CAI)がある。2020年末に大筋で合意したCAIは、欧州議会の不同意により、発効できないままだ。

次ページ経済対策や移民対策にシフトした有権者の関心
関連記事
トピックボードAD