欧州連合(EU)では、6月6日から9日にかけて、欧州議会選が行われる。フランスのストラスブールにある欧州議会は、EUの立法府に相当する重要な機関だ。執行部局である欧州委員会が策定したさまざまな法案を、EU加盟国の閣僚によって構成される閣僚理事会とともに審議し、立法化するのが、その主要な役目となる。
また欧州議会は、欧州委員会のトップである委員長の選出にも、大きな影響力を持っている。2期目を目指している現職のウルズラ・フォンデアライエン委員長が再任されるためには、欧州理事会(EU加盟国の大統領や首相により構成される機関)による指名を受けたのちに、欧州議会による承認を受ける必要がある。
EUが外国と結んだ条約を発効する際にも、欧州議会による同意が必要となる。言い換えれば、欧州議会が同意しなければ、EUは外国と結んだ条約を発効することができない。端的な例として、EUが中国と締結した包括投資協定(CAI)がある。2020年末に大筋で合意したCAIは、欧州議会の不同意により、発効できないままだ。
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