京都のお茶屋が受け継ぐ「究極のキャッシュレス」 「一見さんお断り」にも合理的な理由がある
でも、畑社長は、その時代、誰もやったことのない技術のオートメーション化というところにお金を使うと決めました。「果敢に挑戦する」という経営理念の体現でしょうか。時代という外部環境を分析し、自社の強みを分析した結果、お金の使い方を誤らなかったのでしょう。
最後に3つめ。実は、実際に工場が建設されるまでに10年かかりました。でも、その10年間、建設をまったくあきらめなかったことです。
松栄堂さんの企業理念は、「細く 長く 曲がることなく いつも くすくすくすぶって あまねく広く世の中へ」です。まるで、お香の煙のように。
畑社長の頭の中には、いつもこの理念があります。この理念を実践するには、自分は、会社は、何にお金を使わなければいけないのか? その「問い」こそが、300年続く松栄堂さんのお金を使う判断基準なのです。
京都のお茶屋が提供するのは「最高の空間」
続いては、京都ではおなじみの「お茶屋」さんの話ですが、まず最初に、「お茶屋」といっても、お抹茶やお煎茶を売っている店のことではありません!
京都で「お茶屋」といえば、アレ。サスペンス劇場に出てくる、舞妓さんや芸妓さんが華やかにいらっしゃるところです。
京都には、祇園甲部、祇園東、宮川町、先斗町、上七軒といった5つの花街があります。そのため祇園界隈では、普通に舞妓さん、芸妓さんと遭遇できます。
京都で育った私は、祇園で商売をされているお客さまや友人がいたり、中学時代には舞妓さん修行中の同級生がいたりしました。当社の法人設立パーティには、芸舞妓さんに来てもらいました。こんなふうに京都に住む私たちにとって、花街はけっこう身近な存在です。
この花街が、ビジネス的視点で見ると、めちゃくちゃすごい!!! ということに大人になって、この職業につくまで気づかなかったのです(ビジネス的視点以外でも本当はめちゃくちゃすごいところが満載です)。
その中でも、ここでは、「恐るべし 絶対、貸し倒れしない! お茶屋さんの仕組み」をお伝えします。
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