ついにヤマトが上期赤字転落「値下げ戦略」で窮地 4期連続減益"負のスパイラル"招いた強気計画
2つ目はコスト面だ。ラストワンマイルの領域でコスト削減を進めたが、宅配便の単価が下落したことに加え、一部の輸送コストの増加、今期に就航した貨物専用機の導入費用と赤字影響(71億円)も響いた。
数年前からヤマトは、期初に強気計画を発表しては下方修正を繰り返してきた。栗栖利蔵副社長は「現場からの報告を基に数字を積み上げたが、多少ストレッチがあったかもしれない」としつつ、「新規顧客を安めに獲得したことで収益が追い付かなかった。単価はストレートに利益に直結するので大きく影響した。積載効率が落ち、コストも思うようにコントロールできなかった」などと説明した。
下期は一段と効率化を進め、全社でコスト削減を急ぐ。ネットワークの構造改革に伴う拠点の投資や改修、デジタル化等の投資計画も縮小し、黒字化を目指す方針だ。
構造改革に着手
関連して、2021年以降進めてきたネットワークの構造改革について10月に役員の人事異動を行った。
作業コストの改善や拠点間輸送の効率化に向けて、元アマゾンジャパン副社長の鹿妻明弘・専務執行役員を中心にプロジェクトを進めてきた。以前から担当してきた柴崎安利・執行役員に加えて、阿波誠一・専務執行役員と阿部珠樹・常務執行役員も担当する体制に変わった。「(改革が)そうとう実行フェーズに入っており、多くのベース(拠点)の動きを見ていかなければならないこともあり、役員を増やしている」(栗栖副社長)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら