「客単価2000円超」"令和のアサイーブーム"の実態 流行語大賞にもノミネート、昔とは異なる流行り方

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先述した通り、2010年代の「平成アサイーブーム」はハワイ由来だ。アサイーボウルはもともとハワイの食文化。ハワイ系のパンケーキやポキ丼など、はじめハワイにまつわる料理に注目が集まり、ハワイアンカフェも増えた。

当時は円高でハワイ旅行に行きやすかったことも影響しているのではないだろうか。

一方で韓国からきている「令和のアサイーブーム」だが、最近の若者のトレンドは食に限らずアイドルやドラマなどのエンタメ、コスメや美容、ファッションなど、あらゆるトレンドが韓国発だ。

例えば、Z世代のファッショントレンドを牽引するアパレル企業のyutoriも韓国ビジネスに熱視線を送っており、韓国のファッションブランド「マリテフランソワジルボー」との業務提携を結んだと10月に発表したばかり。

また、韓国の人気ブランド「マルディメクルディ」は日本でも人気を博しており、近頃は渋谷や下北沢を歩いていると同ブランドの服を来た人と必ずすれ違うほどだ。

昔流行ったもののリバイバルのブームも、さまざまなジャンルで起こっている。エンタメ分野なら2000年代初頭に放映されていた人気リアリティ番組「マネーの虎」が今、YouTubeで「令和の虎」としてリバイバルされて再人気だ。

またファッションでも「平成レトロ」や「Y2K」と称した平成初期のファッションをリバイバルしたスタイルがZ世代に広がっている。

食の分野でもリバイバルの例は枚挙に暇がない。プリンやナポリタン、クリームソーダなどの純喫茶ブーム。ネオ大衆酒場も、昔ながらの大衆酒場を老若男女入りやすくしたリバイバル版と言える。

このパターンは、当時を知る大人からは「懐かしい」、知らない若者には新鮮に映り、両面から支持を得られるのがポイントだ。

再現性のあるものしか流行らない、つまらない世の中に?

海外で流行った、昔流行ったということは、人々を引き付ける魅力あるコンテンツだという証拠になっており、勝率の高い、いわば「再現性」のあるコンテンツということだ。

世の中でどんどん効率化や無駄を省くことに意識が向く中で、「間違いない」「失敗しない」ものが注目されるのは当然の流れか。まったく未知のものは受け入れられるかわからず、リスクが高いのはわかる。

とはいえ、少しでも成功可能性の高いもの、再現性のあるものを、と安全牌ばかり狙いにいく世の中も、少しつまらないような気もする。

大関 まなみ フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人

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おおぜき まなみ / Manami Ozeki

1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月より飲食業界のトレンドを発信するWEBメディア「フードスタジアム」の編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100人の飲食店オーナーを取材する。
Instagram:@manami_ohzeki

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