豪華列車「ななつ星」乗務員の知られざる研修内容 社外公募を含む多様な人材が1年の研修を受けた
クルー1期生25名は、JR九州の社員から12名と、社外公募で飛び込んできてくれた13名で構成されました。
社員の12名は全社員のなかから接客サービスに特に秀でた人を選抜しました。社外からの13名は、それまでさまざまな企業のサービス、職場で多くの経験を積んでいます。
航空会社の国際線CA(キャビンアテンダント)経験者、一流ホテルのコンシェルジュ、クルーズ客船の乗員、高級レストランのソムリエ、人気バーテンダーなど。12人の社内採用組、13名の社外公募組を合わせた計25名のメンバーが揃いました。
運行開始前に1年間の研修を実施
運行開始の1年前、2012年10月1日から1期生の1年間の研修がはじまりました。今思い返しても、プロ集団に1年間の研修とは、なんとも思い切ったことをしたものです。
「まったく利益を生み出さなくても許される」1年という時間を25人もの社員に託した、JR九州史上最大の投資でもありました。
私がインタビューしたのは、次の1期生メンバー3名です。
1人は、現在ななつ星の実質的リーダーであるクルーズトレイン本部次長の小川聡子さん。日本航空の国際線客室乗務員を17年務められ、熊本・阿蘇に移住し、ご主人と民泊を経営されていたなか、インターネットでたまたま見かけた「豪華寝台列車」客室乗務員募集の広告を見つけ、応募されました。
2人目は、2022年に行われた車両改修、「エピソード Ⅱ」スタートのなかで、自身の名が冠されたバー「KAZ BAR」が設けられ、その切り盛りに日々いそしむ数澤康弘さん。
数澤さんは、東京のホテルオークラでそのキャリアをスタートしたマスターバーテンダー。ホテルオークラ福岡に移籍し、忙しく勤務するなかで募集を見つけ、応募されたといいます。
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