給食メーカーが介護食に大胆進出して遂げた復活 赤字で倒産危機→ニッチを極めて業績回復
福島県で主に学校給食用デザートの製造を手掛けているトーニチ株式会社。前編の記事では、給食でおなじみのアップルシャーベット誕生の経緯や味の秘密、ファミリーマートでの直販について聞いてきた。
しかし、トーニチ株式会社では、一時期は会社が大きく傾いてしまったという。
後編となる本記事でも引き続き、代表取締役社長の岸秀樹氏に話を伺い、“営業改革”で赤字続きの会社を立て直していったことや、少子高齢化で学校給食の需要が減っていく中、介護食や病院食の分野にも取り組み、売り上げを伸ばしている点について掘り下げていく。
「営業マンは現場へ行け」の教えが会社を変えた
―赤字危機について教えてください。
2000年頃から不況になっていき、大手メーカーが下請けに出す量を減らして自社工場での内製化を進めていきました。弊社は下請けが中心の会社だったので、売り上げが落ちていきました。
ちょうど製造工場の建て替えを進めていた頃で、10億円の生産能力だった工場が、2000年に30億の生産能力のある新工場になりました。つまり約3倍です。しかし生産能力は3倍に上がったのに、注文はどんどん減っている……。
私はその頃大学卒業後に赤城乳業で働いて2年目でした。5年は修行する予定だったのですが、「家業がピンチ」ということで実家に呼び戻されました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら