Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場

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Blueskyが企業にとって魅力的なプラットフォームとなるかどうかは、ユーザーとの新しい関係性の構築や、従来のSNSとは異なる形での情報発信が可能になるかどうかにかかっている。タビオの事例は、そうした可能性を示す先駆的な取り組みと言えるだろう。

ユーザー主導のソーシャルメディア

Bluesky PBCのCEOであるジェイ・グレーバー氏は、Blueskyの目標について次のように語っている。「Blueskyの最終目標は、誰もが自分たちの体験を自分自身で制御できるようになることだ。特定の人たちが強大な力を持つことは望ましくない」。

また、Blueskyの開発者であるジェレミー・ジョンソン氏は、さらに具体的なビジョンを示している。「Twitterで起きたような、誰かがやってきて現状を変えて、これまで築いていたコミュニティを完全に破壊するようなことは、Blueskyでは起こしてはならない。例えプロトコルの1つが故障したとしても、他のサーバーを存続できる。それがAT ProtocolとBlueskyの望ましいあり方だ」。

4月に東京で開催されたBluesky Meetupに登壇したジェイ・グレーバー氏(右上)とジェレミー・ジェンソン氏(筆者撮影)

この2人の言葉が示すように、Blueskyが目指すのは、「誰もが自分のSNS体験を自由にコントロールできる世界」だ。一企業の判断で突然大きな変更が起こるような従来のSNSとは異なり、ユーザー1人ひとりが主役となれるような環境を作ろうとしているのだ。

しかし、このビジョンの実現には課題も存在する。現状では、AT ProtocolはBlueskyの浸透に大きく依存しており、このエコシステムの持続可能性はBlueskyの今後の成長と普及にかかっている。開発者たちの活躍が、Blueskyの目指す世界の実現にどのようにつながっていくか、今後の展開が注目される。

AT Protocolとそれを活用する開発者たちの存在は、Blueskyのプラットフォームを豊かにし、ユーザー体験を向上させる重要な要素となっている。この相乗効果が、Blueskyを従来のSNSとは異なる、より個性的で多様性に富んだプラットフォームとして際立たせているのだ。

Blueskyが真に分散型SNSとしての地位を確立するためには、ユーザーベースの拡大とともに、AT Protocolを採用する他のアプリケーションやサービスの登場が必要となるだろう。また、データのポータビリティやプライバシー保護など、分散型システムならではの課題にも取り組んでいく必要がある。

Blueskyがこの目標の実現に向けてどのような進化を遂げていくのか、そしてそれが私たちのオンラインコミュニケーションをどのように変えていくのか、今後の動向が注目される。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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