Xのブロック仕様変更で高まる「Bluesky」への期待 1000万人のユーザーが求めた自由なSNSの広場

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BlueskyのAT Protocolは、誰でも自由にアプリやツールを開発できる仕組みを提供している。これは2010年代初頭のTwitterのように、開発者が自由に創意工夫を凝らせる環境だ。日本の開発者たちも独自のアプリを次々と生み出しており、Blueskyをより便利で多様なプラットフォームにしている。 TwitterはXに生まれ変わり、外部開発者による開発を制限するようになったが、Blueskyは分散型の仕組みを採用することで、誰もが参加できるオープンな環境を守れる。そこがXとの違いだ。

無数のノイズで占められない

Blueskyは個人ユーザーを中心に急速に成長を遂げているが、企業の公式アカウントはまだ少ない。しかし、先進的な企業の中には、このプラットフォームの可能性に着目し、積極的に活用を始めているところもある。

その一例が、靴下専門ブランドのタビオだ。タビオは、Blueskyの一般公開と同時にアカウントを開設し、その日のうちにカスタムフィードも実装するなど、新しいプラットフォームに対して積極的な姿勢を見せている。

靴下屋(タビオ株式会社)のBlueskyアカウント(Blueskyのスクリーンショット)

タビオのSNS担当者によると、Blueskyアカウント開設の主な目的は「会社の姿勢」や「商品」について知ってもらうことだという。同社は「できる限りのプラットフォームを活用したい」という方針のもと、一般ユーザーへの解放を機にBlueskyの使用を開始した。

タビオは、Blueskyのユーザーについて「“目立つために発信する”という意識が低い傾向にある」と評価している。むしろ、そうした姿勢に疲れた人々が多く集まっているという印象だ。バズることを意識しないでいいという共通認識が、投稿する側と見る側の両方に存在していることが、現時点でのBlueskyの大きな特徴だと捉えている。

この特徴は、企業のPRという観点からは一見デメリットに思えるかもしれない。しかし、タビオはこれを逆手に取った見方をしている。タイムラインが「無数のノイズで占められない」ため、逆に企業のメッセージがより伝わりやすくなる可能性があるというのだ。

タビオは今後のBlueskyの活用について、「長くお付き合いできるユーザー様とつながること」を期待している。同社は、現在の企業SNSの役割において「目立つ」ことよりも「信頼できる姿勢」を示すことが重要だと考えており、その姿勢を感じてもらうための取り組みに注力する意向だ。

しかし、タビオのような先進的な事例はまだ少数派だ。多くの企業は、Blueskyの将来性を見極めている段階にあり、本格的な活用にはまだ踏み切っていない。ユーザー数の増加や機能の充実、さらにはマーケティング効果の実証などが進めば、今後より多くの企業がBlueskyに参入する可能性がある。

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