7人乗り新SUV「CX-80」に見るマツダの生きる道 開発陣の「こだわり」が生む独自性の商品力

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2024年上半期も、前年同期比を1割近く上回った。だから、正しい言い方としては、「評価されるために、こだわらなければならない」、というより「こだわったゆえに評価されている」なのかもしれない。

“こだわり”は、インテリアにも反映されている。内装の素材や色にも、独自性がある。

まるでベントレーであるかのように華やかな雰囲気のPremium Sportsのタン内装(筆者撮影)
まるでベントレーであるかのように華やかな雰囲気のPremium Sportsのタン内装(筆者撮影)

色は、もちろん売れ線のブラックもあるけれど、タン(茶色)やピュアホワイトなど、日本ではあまり売れない、けれども確実にほしい人がいる、というものも用意されている。これは大きく評価したい点。

ダッシュボードの表面素材にはスエード調もあって、プレミアムブランドのクルマのようだ。乗っていて気分がよい。

「CX-5やCX-8から上級移行する車種として、CX-80を設定しています。性能で輸入車に劣らないクルマづくりをめざしていますから、デザインや質感も負けないようにとがんばりました」

こちらはグレージュというカラーの6人乗りキャプテンシート仕様(筆者撮影)
こちらはグレージュというカラーの6人乗りキャプテンシート仕様(筆者撮影)

デザイン本部の玉谷聡主査は、ほこらしげにそう語った。今回の試乗会で話を聞いた開発陣はみな同様にほこらしげで、それがなにより印象的だった。

“こだわり”がマツダの生きる道になる

価格は、マツダの頂点に位置づけられるだけあって、それなりの設定だ。

3.3リッターSKYACTIV-D 3.3のXDが394万3500円〜、e-SKYACTIV D 3.3なるマイルドハイブリッドディーゼルのXD HYBRIDは582万4500円〜、それにe-SKYACTIV プラグインハイブリッドのPHEVが639万1000円〜というぐあい。

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しかし、たとえばホンダ「ヴェゼル」でもハイブリッドの上級グレードは350万円を超えるし、トヨタ「ハリアー」のプラグインハイブリッドは620万円だ。安くはないけれど、競争力はある。これもマツダの自信のあらわれだろう。

「ラージ商品群」の展開は、まだ始まったばかり。また、「ラージ」があるのだから、他のサイズの展開もあるのだろう。35周年を迎えた「ロードスター」も含め、“こだわり”を突き詰めたクルマづくりこそ、マツダの生きる道になるはずだ。

【写真】もう一度、見てみたい「CX-80」こだわりのディテール(59枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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