任天堂、1.3万円「目覚まし時計」が大注目の理由 謎の商品が示すQOL事業の復活と次世代機への布石

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そもそもアラームで起きるときはうるさいから起きるのであって、サウンドの内容はどうでもいいのである。実際、「マリオの曲だ」と思うのはなんとか覚醒したあとで、その中身の良し悪しを吟味している場合ではないのである。

筆者は普段Apple Watchのアラームで起床しているが、そのサウンドにこだわりなどまったくないし、起こしてくれることが第一といえる。また、目覚まし時計に使っていた音が嫌いになるケースもあるそうで、それを懸念する声もある。

とはいえ、電波センサーによるアラーム停止機能はなかなか優れている。筆者は2日目にして「センサーから感知されれば止まるのだから、とにかく床に降りればよい」と無意識のうちに行動できた。床に落ちてもまだぼんやりと半分夢の中にいたものの、さすがに寝床から抜け出せればなんとか目は覚めるものだ。

かつて存在したQOL事業が関係している可能性

「睡眠と疲労の見える化」のイメージ図
2014年に発表されていた任天堂のQOL事業「睡眠と疲労の見える化」のイメージ図。画像は任天堂公式サイトより

このように製品の狙いがわかりづらいアラーモだが、それを紐解くのに重要なのが、任天堂が掲げていたQOL(クオリティオブライフ)事業に関する動きである。

任天堂は2014年の経営方針説明会において、QOLを楽しく向上させることを新しい娯楽にする予定だと発表していた。最初のテーマは「睡眠と疲労の見える化」であり、かつそれを簡単にできるようにすることを重視している。そのひとつとしてノン・ウェアラブル、つまり何も身に着けずに計測できることをポイントとしていたわけだ。

さて、これで話が見えてきただろう。アラーモはまさしくノン・ウェアラブルに睡眠状態を計測できるものであり、かつ適切な睡眠をとれるように誘導する商品となっている。

2014年の発表時は、アメリカで睡眠時無呼吸症候群に関する医療機器を開発・製造・販売しているResMedと業務提携したと発表されていた。アラーモにはさすがにそこまでの機能はないのだが、その一部を担っているのは間違いないだろう。

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