自己効力感の低い人が陥っている「症候群」の正体 成果重視の人は、自分は力不足だと思う傾向

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ビジネスパーソンはどうでしょうか。これまで10年以上、多くの企業で自己肯定感を軸にした人材育成や組織開発の研修を実施してまいりました。現場で感じるのは、大人になって社会で働くようになったからといって、自信が持てるようになるわけではないということです。

むしろ、自信をなくす出来事のほうが多い中で、いかにそれを糧にリカバーして自信にしていけるかが問われています。

自信を妨げるインポスター症候群

昨今、ビジネスパーソンが自信を持てない要因の一つに「インポスター症候群」が挙げられています。

インポスター症候群とは、自分の能力や実績を認められない状態を指します。仕事でうまくいっても、周囲から高く評価されても「これは自分の実力ではなく、運が良かっただけ」「周囲のサポートがあったからに過ぎない」と思い込み、自己を過小評価してしまう傾向のことです。

インポスター(impostor)は詐欺師、ペテン師を意味する英語です。仕事でうまくいっても自分のキャリアは“まがい物”だと後ろめたく感じて、自分には能力がないと不安に感じるのが特徴です。

組織行動学のアンディ・モリンスキー教授は著書の中で、スターバックスの会長、社長、CEOを歴任したハワード・シュルツは、「CEOに就任するすべての人が不安を感じていて、自分がこのポジションにふさわしいという自信を持っている人はめったにいない」と述べています。

心理学者のキャロル・ドウェックによると、この症状に悩む人は、成果を重視する人が多いといいます。成果重視の人は、自分は力不足だという気持ちになる傾向があります。失敗すると自己の限界を強く感じてしまうため、自分はこの仕事にふさわしくないという懸念が増幅し、自信を喪失するのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事