牛丼チェーン「深夜料金」に不満の声が続出する訳 外食チェーンのインフラ化に我々は慣れてしまった

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深夜料金の設定もそうだが、こうした状況に対応して各社がいろいろな戦略を取っているのが現在の状況だ。

すき家
すき家では現在、一部の店舗にて、店内飲食でもプラスチックや紙の容器で提供されている。人件費の削減や、働きやすさ向上による人材確保などが狙いで、通っていても一定の成果が出ているように感じる(筆者撮影)

「ディストピア容器」として有名になったすき家のプラスチック容器は、従業員の人々の皿洗いの手間を省くために導入されたもので、各社こうした「インフラ」を持続していくためにさまざまな施策を行っている。

牛丼屋24時間営業はいつまで続くのか?

あまりにも私たちは牛丼屋が24時間やっていることに慣れすぎてしまって、それが少しでも変化しようものなら戸惑ってしまうのだ。それが、前述したようなSNSの声に表れている。

ガストの写真
コロナ禍に一度は廃止された深夜営業だが、2023年3月から徐々に復活していった。とは言え、24時間ではなく、2時などで閉まる店も多く、24時間営業がなくなっていく流れは変わらなさそうな印象だ(筆者撮影)

同じレストラン業態で24時間営業をしている場所といえば、ファミリーレストランだが、こちらも「24時間営業」は普通のものではなくなっている。

『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』書影
『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

2020年にはファミリーレストラン大手のすかいらーくグループが24時間営業を全廃した。2023年には一部店舗で再開されたものの、全体的な流れとして、24時間営業がなくなっていくのは確かな流れである。

牛丼屋も、現在では「インフラ」を維持する方向で対策が取られているが、24時間営業でなくなるのも時間の問題なのかもしれない。

それがいつになるか、まだわからないが、ひとまず24時間営業を続けてくれている各社に感謝しながら牛丼にありつきたいものだと思うのだった。

谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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