ゲームとAIの長い歴史に加わる「感情認識AI」 介護やマーケティングへの応用も視野に
ゲームとAIは親和性が高く、その付き合いの歴史は長い。1990年発売の古典的RPG『ドラゴンクエストIV』のオートバトルは、仲間キャラクターをAIが自動制御し、戦闘経験を積むことでモンスターの特性を学習する機能だった。一方、1986年のシューティングゲーム『ザナック』の「ALC(AUTO LEVEL CONTROL)」は、プレイヤーの行動に応じてゲームの難易度をリアルタイムで調整する。幅広い層のプレイヤーが楽しめて、パターン暗記よりもアドリブでの対応力が試されるユニークなゲーム体験となっていた。
現代の機械学習ベースのAIは、ゲームプレイをより洗練した体験にしている。『ラスト・オブ・アス パートII』では、高度なAIシステムにより、ゲームプレイがより没入感の高いものになっている。
例えば、敵AIに「曖昧な認識」状態が導入され、仲間が殺されるのを目撃した敵は、プレイヤーの正確な位置はわからなくても、おおよその場所を把握して警戒する。プレイヤーは常に緊張感を持ちながら、刻々と変化する状況に応じて戦略を立て直す必要があり、これがゲームの大きな魅力となっている。
AIが感情を分析するゲーム
このようなゲーム業界におけるAI技術の進化の中で、新たな可能性を提示しているのが、OVOMIND社の感情認識技術だ。東京ゲームショウ2024の会場では共同創業者兼CTOのJulien Masse氏がデモを行っていた。
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