女子ゴルフは「何年ぶり優勝」が急増している 他の選手の活躍に勇気づけられているのかも

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その分、例年の半数で推移しているのは(3)の初優勝者です。賞金ランキング4位につけてヒタヒタと攻め入っているのが、4月に初優勝を挙げた北海道出身の菊地絵理香プロ。優勝に手が届きそうで打ちのめされ続けた昨年のプレーから脱皮した強さを発揮しています。

同じ北海道出身20歳の藤田光里プロも4月、最終ホールで劇的バーディーを決めて初優勝。また、初来日でいきなりメジャーで勝った韓国の21歳チョン・インジ選手はその後全米女子オープンでも勝ちました、圧巻です。

西山ゆかりプロの初優勝も見事

さらに、33歳西山ゆかりプロの初優勝も見事でした。師匠の芹澤信雄プロにキャディーをしてもらい、優勝争い独特の緊張感と重圧を一緒に克服できたのではないかと思います。他方、芹澤プロのアドバイスをしっかり体現できる技術と潜在的な精神力の強さ、そして何にも増して勝ちたいという一心がプレー全体に表れていました。その極みは、優勝を決めたあの強く打ったバーディーパットです。その次の大会でも優勝争いをし、これまでステップ・アップ・ツアーで2勝と、一つひとつ積み上げてきた努力が実ったと感じました。

そういう意味でいうと、渡邉彩香プロと前田陽子プロは昨年初優勝を飾ると、今年も早々に2勝目を挙げました。自分のゴルフスタイルをきちんと把握しているからでしょう。何といっても勝つ土台は正しい練習と努力の持続です。そして、その前には優勝したいと切望する心です。

週刊東洋経済9月12日号

小林 浩美 プロゴルファー

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こばやし ひろみ

1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。

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