住生活グループ会長 潮田洋一郎--イタリアの建材大手を600億円で買収、世界企業の経営構造を取り込む


 ただ、日本の住宅産業には、世界の成長マーケットに出ていって、建築・住宅関係の仕事をする、という種類のM&Aはこれまでなかった。そういう意味で、住宅・建築産業においても画期的なことだと自負している。当社もつい数年前までは非常にドメスティックな事業体だったが、この2~3年で激変してきており、今回の買収がそれをさらに後押しするだろう。

世界の成長を買うのが狙いとはいえ、国内でのビジネスにも影響する。というのも、日本の建材産業が今までやってきたやり方は、国際競争という観点からは通用しなくなってきている。たとえば、ペルマには大型ビルプロジェクトを中心として日本国内での受注例もたくさんあるが、それはすなわち(リクシル傘下の)トステムや新日軽が受注に負けたということであり、同様にカーテンウォールを手掛けるYKKや三協立山、不二といった他の国内勢も負けたということ。



■記者会見するニコラ・グレコ ペルマCEO(左)と潮田会長

なぜ負けたかといえば、技術もさることながら、コストの構造が根底から違う。われわれの原価で提示しても、(世界各地から資材をアセンブルする)ペルマなどの海外企業の価格にはとうてい歯が立たない。考えてみれば、日本国内の仕事をするのに、イタリアの会社がわれわれより安いコストで仕事を取れるのはどうしてか、という話になる。それは、われわれのビジネスモデルが国際競争で通用しなくなっている、ということだろう。

それでも、今までは海外での受注を獲得するために、当社も香港、アジア各地のコスト構造に適応するための努力をしてきたが、いよいよ本体も変革しなければ、これから先の世界ではやっていけない。ペルマを買収することで、ペルマの経営の構造を住生活の中に、取り込み、いわばわれわれ自身がペルマになっていかなければならない、と考えている。

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