日立、国際鉄道見本市に「10年前の車両」なぜ出展? イタリア鉄道の高速列車、何が変わったのか

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では、顧客であるイタリア鉄道は日立製車両に満足しているのだろうか。そして、今後の日立との関係性についてはどう考えているのだろうか。

イタリア鉄道旅客部門・トレニタリアのCEO兼マネージングディレクターであるルイージ・コッラーディ氏に、まずフランス、スペインそしてドイツへの参入が完了した後の未来について尋ねると、「それはとても難しい質問で、夢ばかりを語るわけにもいかない。現在は計画されている仕事に集中しなければならないが、他の国へ進出するという夢は持っている」との答えだった。

ルイージ・コッラーディ氏
展示された「フレッチャロッサ・ミッレ」の前であいさつするトレニタリアCEOのルイージ・コッラーディ氏(撮影:橋爪智之)

もし他国進出によってさらに追加の車両が必要になった場合、日立との関係性、パートナーシップを今後も継続していく考えなのだろうか。

コッラーディ氏は、「だからこそ、今私たちは(最新世代となった車両の発表という)この場にいる」と述べ、「われわれの戦略は全体に統一された車両を使うことで、それはイタリアだけではなく、(同社が今後進出を考えている)他国でも同様だ。この車両は全ヨーロッパで運行ができる規格で製造されており(※現在、すでに7カ国で認可を取得済み)、われわれの考える戦略を達成するために日立とのパートナーシップは絶対必要だ」と力説した。

「あらゆる高速列車と比べてベスト」

そして、日立製車両に満足しているかとの問いについては、「もちろんだ。快適性、信頼性、スピード、美しいイタリアン・デザイン、すべてにおいて高次元にバランスの取れた、世界中のあらゆる高速鉄道車両と比較してもベストな車両だ」と語った。

ルイージ・コッラーディ氏
インタビューに答えるルイージ・コッラーディ氏(撮影:橋爪智之)

今、イタリアで公共交通を利用すると、鉄道のみならず地下鉄やトラムなど、あらゆる場所で「HITACHI」の文字を見かける。今後も進化を止めることなく実績を積み重ねていけば、イタリア、そしてヨーロッパの鉄道市場での日立ブランドの存在と立場はより盤石なものとなるだろう。

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橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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