ボーク:健全な心という視点でいうと、私は大人も非認知能力を高めることが大切だと考えています。非認知能力は大人になってからも自分で鍛えることが可能です。
私自身も、娘を生んだときは「娘には私のような大人になってもらいたくない」と真っ先に思うくらい自己肯定感が低い状態でした。ですが、子育てを通じて、親である私自身の非認知能力も鍛えられました。自己肯定感や好奇心、主体性や回復力などの非認知能力を鍛えることで、毎日を最高にワクワクしながら生きていけるようになりました。
窪田:ボークさんが日々楽しく過ごされているのは、対談相手の私にも伝わってきます。
ボーク:ありがとうございます。自分が楽しんでいる様子は相手にも伝染するんですよね。人生100年時代を楽しむにはいかに好奇心を持てるか。これにかかっていると思っています。
窪田:子どもが好奇心を持てるようになるのも、周りの大人がまずは好奇心を持つ。それを見本として子どもに見せるということですね。
屋外に出ることと親の接し方で子は伸びる
ボーク:そうですね。窪田先生が目の健康のために屋外へ出ることを推奨されているのが素晴らしいと感じたのは、子どもの好奇心を引き出す種も屋外にたくさんあるからです。
外に出ると、空に雲が流れている、道に蟻が歩いている、街路樹に花が咲いている。屋内の景色は変化があまりないものですが、屋外は同じ場所にいても見える景色が秒単位で変わります。
窪田:小さい子は「飛行機はどうして飛べるの?」「蟻んこはどうして穴に住むの?」と大人を質問攻めして可愛らしいですよね。
ボーク:それがまさに今の日本の教育に求められている「問いを立てる力」です。何でここにあるの?なんで触っちゃいけないの?と、湧き出た疑問をスルーさせない、不思議に思うこと自体が立派な能力です。
窪田:その子どもの問いに、大人もできるだけ反応してあげて能力を伸ばしてあげたいですね。その問いに対する正解を知らなくとも。