1社で原材料製造「抗菌薬・脱中国依存」の高い壁 Meiji・塩野義が国産化目指すも、課題は低薬価

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別の原材料も中国の寡占状態

別の原材料である7-ACAも9割を中国の数社が供給する寡占状態にある。

抗菌薬に詳しい東京ベイ・浦安市川医療センターの並木孝哉薬剤師。セファゾリンは耐用年数が2年ほどと短く、備蓄には向かないという(写真:記者撮影)

結局、セファゾリンが通常出荷に戻ったのは供給停止から1年半後。抗菌薬の種類は複数あり、それぞれ最近に対する効果の範囲が異なる。抗菌薬が効かない薬剤耐性菌の拡大を防ぐためにも、標的となる細菌にピンポイントで効く薬を選ぶ必要がある。

「セファゾリンは、手術部位の感染を防ぐために投与する抗菌薬の第1選択薬。供給停止で手術後に使う抗菌薬を、これより効果の範囲が広い別の製品に切り替えたが、これも供給停止に。そこでさらに広範に効く別の薬に切り替えたところ、死滅させる必要のない菌まで死滅させてしまい、院内で薬剤耐性菌が増加した」(並木薬剤師)

薬剤耐性菌が広まれば、これまで使えた抗菌薬が効かなくなって複数の薬が必要になる。最悪の場合は治療ができなくなる。

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