立憲・野田代表の「政権奪取」戦略の"落とし穴" 刷新感重視の新体制も、程遠い「ノーサイド」

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新代表となった野田氏は、直ちに人事工作に着手し、23日中に新執行部の骨格を固め、翌24日午後、国会内で開催した同党両院議員総会で提示、承認された。新執行部は実質的な党運営を担う「党3役」として、小川幹事長の他、政調会長に重徳和彦衆院議員(53)、国会対策委員長に笠浩史衆院議員(59)が就任。さらに、代表代行に長妻昭衆院議員(64)、辻元清美参院議員(64)、大串博志・元首相補佐官(59)の3氏を充てた。大串氏は選挙対策委員長も兼任する。

さらに野田氏は、自らの代表選出馬での“中核”となった党最長老・小沢一郎衆院議員(82)を次の衆院選に向けた総合選挙対策本部の本部長代行に起用する意向も固めている。

そこで新執行部の顔ぶれをみると、小川氏は衆院香川1区選出で当選6回。2021年の党代表選に出馬し敗れたが、泉健太代表(当時)の下で政調会長を務めるなど中堅若手の代表格の人物。また、重徳氏は衆院愛知12区選出で当選4回。2019年に中堅・若手議員でつくるグループ「直諫(ちょっかん)の会」を設立し、会長を務めるなど、党内に一定の地歩を築いている。さらに、笠氏は衆院神奈川9区選出で当選7回。民放テレビ出身で旧希望の党で国対委員長をつとめるなど国会運営の経験が豊富なベテラン議員だ。 

「穏健な保守層」取り込みに意欲と自信

そもそも野田氏は、代表選出に先立つ党大会での演説で「格差を是正し、分厚い中間層を復活する」「金権政治を終わらせ、世襲を制限する。政権交代こそが最大の政治改革だ」などと訴えたことが勝利に結びついたとみられる。

野田氏自身は自らの勝因について、記者会見などで「コアな立憲支持者だけでなく、もう少し幅広く無党派、本来は自民支持の人たちに届くメッセージを出せる可能性に期待した人もいるのでは」と分析。さらに「リベラルな方向と仲良くやりすぎているイメージが立憲の抱える課題だ」と、「立憲共産党」とも揶揄された枝野氏の党運営を間接的な表現で批判してみせた。そのうえで、次期衆院選の基本戦略とする、裏金事件で自民に強い不満を持つ「穏健な保守層」の取り込みに、強い意欲と自信をにじませた。

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