JAFによれば、「JAFは自動車ユーザー団体の立場として、自動車ユーザーが普段感じている疑問や不安を解決し、その結果、社会的課題などを解決することを目的にさまざまなテストを実施している」と、ユーザーテストを定義付けている。
夏の車内温度上昇といったテストも例年、よく取り上げられるが、今回はテスト項目の中にある、災害(豪雨/落雷/水没/濃霧/強風)に焦点を当てたい。
災害に関するユーザーテストでは、水没時に「水深何cmまでドアは開くのか?」や「水没時、何を使えば窓が割れるのか?」「落雷時、車や車内にいる人への影響は?」といった、災害に遭遇した場合の行動や心得が、動画によって確認できる。
こうした災害の分類について、JAFは「自動車ユーザーが安心して運転できるようにという観点から、実際に起こる可能性の高い災害や自動車ユーザーからの意見を参考にテーマ(分類)を設定した」としている。
また冠水は、集中豪雨によりアンダーパスで発生した状況を想定しているが、JAFユーザーテストにおける水深値の設定などについては、「自動車ユーザーの声を参考にしながら、その分野の有識者や使用するテストコースの担当車の意見を聞いて設定することが多い」という。
メーカー介在なしで行われる独自性
ユーザーテストを実施する場所は、テストコースなど想定する実験ができる場所を全国で探しているとのことだ。
使用する車両については「テストの内容によるが、一般的に(街中で)よく見かける車両から選定。最近では電気自動車やハイブリッド車での実施、または検討をしている」という。
そのうえで、自動車メーカーとは「基本的にテスト内容や情報の共有、テスト後の評価等について(のやりとり)は行っていない」と回答した。
このように、JAFユーザーテストは、国が道路運送車両法などに定める車両の基準にともなうものでも、また自動車メーカーの社内基準と照合されているものでもなく、あくまでもJAF独自の視点で実施されているものである。
では、自動車メーカーの「クルマ×防災」に対する取り組みは、どうなっているのか。
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