激甚災害「車からの人命救出」難しさのリアル 警察・消防など「総勢70人」大規模訓練の現場

✎ 1〜 ✎ 62 ✎ 63 ✎ 64 ✎ 65
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
大きく変形した「アルファード」のスライドドアをこじ開ける様子(筆者撮影)
大きく変形した「アルファード」のスライドドアをこじ開ける様子(筆者撮影)

土石流に襲われ、激しい交通事故に遭遇し、上空からヘリコプターが救助にあたり、地上ではパワーショベルや各種機器を隊員たちが懸命に操り……。

災害時、クルマから人を救出することは極めて難しい。そんな事実を目の当たりにした。

【写真】大規模災害訓練で見た人命救助のリアル

県警・消防局が災害時連携協定を結んだ日に

去る2月14日、警察と消防合同による大規模な災害警備訓練が実施された。場所は、茨城県にある一般財団法人 日本自動車研究所(略称JARI)の城里テストセンター。リアルな災害を想定した訓練で、救助活動の難しさを実感する貴重な機会となった。

参加したのは茨城県警察の警備課(警備課災害係・航空隊)、機動隊、笠間警察署、茨城県情報通信部機動通信課、埼玉県警察警備課航空隊、そして水戸市消防局を含めた総勢70人。

目的は、激甚化する自然災害の傾向や過去の教訓などを踏まえ、敏速かつ的確な災害警備活動を行うため、警察災害派遣隊や関係機関・各部隊の練度の向上と、部隊相互の連携強化を図ることだ。

警察や消防の隊員にとっても初めてのことが多い訓練だった(筆者撮影)
警察や消防の隊員にとっても初めてのことが多い訓練だった(筆者撮影)

2024年1月の能登半島地震、夏場を中心に起こる全国各地での豪雨被害、今年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故など、クルマに乗った人が巻き込まれる災害が頻発しており、こうした合同訓練の重要性が高まっている。

そこで、JARIでは茨城県警察、水戸市消防局と災害時連携協定を結んだこの日、災害警備訓練を実施したのだ。

JARIは、1961年設立の財団法人 自動車高速試験場を前身とした団体で、1969年に自動車技術の基礎的な調査・研究・開発および試験・評価を行う総合研究機関として発足。

茨城県つくば市に、環境・安全・新モビリティなどに対応する、つくば研究所がある。今回、合同訓練が行われた城里テストセンターは、2005年に設立された比較的新しい施設だ。

次ページヘリコプター救助、土石流からの引き上げ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事