自民総裁選「小泉・石破・高市」"3強"の競り合いに 「冒頭解散」是非など決選投票にらみ駆け引き激化

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ただ、時間配分の関係で、この候補者同士の討論は1巡だけとなり、あとは記者クラブ代表による各候補への質疑に移行。その中で重要ポイントとなったのは、事前に想定されていた「政治と金への対応」「選択的夫婦別姓制度の可否」「衆院解散の時期」の3点だった。

「裏金議員“処分”」などではそろって逃げ腰に

そもそも今回の総裁選は、国民不信を招いた「巨額裏金事件」への責任をとって岸田首相が退陣を決めたことを受けたものだ。このため、「政治と金の問題」にどう対応するかが9候補全員に問われるのは当然だった。しかし、候補者討論も含めて一応濃淡はあったもののそろって踏み込んだ言及を避け、いわゆる「裏金議員」の“処分”などでも、逃げ腰の姿勢が目立った。その背景に「巨大派閥だった旧安倍派議員を敵に回したくないとの共通認識があった」(自民長老)ことは間違いなく、そのこと自体が「問題の根深さを露呈する結果」(同)ともなった。

また、党内意見が割れている「選択的夫婦別姓」では、小泉氏が「私は別姓を選択したいという方に選択肢を用意して、国民の皆さんにお諮りしたい。関連法案への賛否には党議拘束をかけない」などと主張していることに対し、反対派の高市、小林両氏に加え、個人的には賛成とした上川氏らも「分断のリスクに配慮し、時間をかけて議論すべきだ」などと注文をつけ、“速戦即決”にこだわる小泉氏を牽制した。

一方、討論での最後のテーマとなったのは、総裁選を受けて10月1日召集予定の次期臨時国会での新政権発足後の衆院解散の時期と手法で、小泉、石破両氏の意見が対立し、他候補も耳をそばだてるなど、ごく短時間だったが会見場に熱気があふれた。

小泉氏が出馬表明時から「できる限り早期の解散」を主張していることについて、記者クラブ代表が「国民は(選挙で)何を基準に選べばいいのか。せめて(解散前に)与野党の論戦があるべきではないか」と指摘。小泉氏は「判断材料がない、なんてまったくあたらない。(期間が)史上最長の総裁選だ」などと総裁選の論戦を通じて国民に信を問う環境は整うと力説。

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