中国EV「理想汽車」、販売目標を下方修正の憂鬱 当初の80万台を50万台に、営業損益は黒字回復

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4~6月期の決算説明会では、理想汽車のCFO(最高財務責任者)を務める李鉄氏が「2024年の通期の販売目標を50万台に修正する」と明言した。同社にとって、これは2024年に入ってから2回目の下方修正だ。

理想汽車の創業者兼CEO(最高経営責任者)の李想氏は、2024年の年初に通期で80万台という強気の目標を掲げた。しかしMEGAの失敗をきっかけに、同社は2024年に予定していた3車種のBEVの発売を延期し、通期の販売目標を56万~64万台に引き下げた。

理想汽車はBEVへの本格参入が不可欠という考えを棄てていない。写真は失敗事例となったBEVの高級ミニバン「MEGA」(同社ウェブサイトより)

現時点では、MEGAを除く理想汽車の製品ラインナップはすべてレンジエクステンダー型EVだ。しかし(高級車のカテゴリーで)もっと大きな市場シェアを獲得するため、同社はBEVへの本格参入が不可欠という考えを棄てていない。

自動運転技術の開発を強化

そのタイミングについて李CEOは、「2025年前半にSUVタイプのBEVを投入したい」と決算説明会で発言した。このことは、2024年後半には新型車の発売がないことを意味する。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

理想汽車は、それまでの経営の重点を自動運転技術の開発強化に置く方針だ。中国市場では、消費者が購入車種を選ぶ際に先進運転支援システムの有無やその性能が決め手になるケースがますます増えていることに対応する。

同社は2024年末から2025年初めの時期に、(クルマの運転をシステムが担い、緊急時には人間のドライバーが対応する)「レベル3」の自動運転システムの投入を目指している。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月29日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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