小田急ロマンスカー「VSEと性格真逆」EXEの将来 通勤と観光に柔軟対応、次世代特急で置き換え

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現在運用中のロマンスカーには1996年登場のEXEと、2008年デビューのMSE(60000形)、EXEをリニューアルして2017年以降に就役したEXEα、2018年に営業運転を開始したGSE(70000形)がある。

新型ロマンスカーの代替対象となるEXE自体は、1963年登場のNSE(3100形)を置き換える目的で開発された。歴代ロマンスカーで初めて、10両編成を6両と4両で分割・併合できる構造を採用し、柔軟な運用を可能にした。分割した場合、片側の先頭車両は自動ほろ装置の付いた貫通タイプ、もう片方は非貫通タイプと、編成の両端でデザインが異なる。

EXE未更新 非貫通側先頭車
非貫通タイプのEXEの先頭車。車体色は「「ハーモニック・パールブロンズ」(記者撮影)

子供を泣かせた?EXE

現在の10両での運転時は578席と乗車定員を最大化した反面、展望席は設けられていない。EXEの愛称は「Excellent Express(素敵で優秀な特急列車)」から名付けられた。ゆったりとしたソファのような座り心地のシートが日常的に利用する通勤客には評判がいいようだ。外観も「ハーモニック・パールブロンズ」と呼ぶ、なかなか渋い車体色をしている。

EXEは1999年までに10両編成(6両編成+4両編成)合計7本を導入し、通勤特急としての色彩を強めていたロマンスカーを支える存在となった。夜の帰宅時間帯の列車名「ホームウェイ」が登場したのも1999年だ。

一方、その地味さゆえに「『ロマンスカーじゃない』と駅で子供が泣いた」という不名誉なエピソードが小田急社内に伝わっている。通勤客と観光客、大人と子供で評価が大きく分かれる車両でもある。小田急ロマンスカーのために創設されたような鉄道友の会の「ブルーリボン賞」は、歴代車両のうちEXEだけが受賞していない。

EXE未更新車 車内
重厚感ある座席が並ぶEXEの車内(記者撮影)
ロマンスカー EXE 座席
向かい合わせにするとまるで応接室のソファのようなEXEの座席(記者撮影)
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事