米ファンド、「スズキは自社株消却を」 VWから買い戻す自社株に対して注文
[東京 31日 ロイター] - 「物言う株主」として知られ、スズキ<7269.T>の株式を保有する米投資ファンド、サード・ポイントの代表であるダニエル・ローブ氏が31日、ロイターなどとの取材に応じ、スズキは独フォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>から買い戻す自社株を消却すべきとの見解を述べた。
ローブ氏は、既存株主の利益を損ねないよう、スズキは現在の株価水準からかけ離れ過ぎない買い取り価格で自社株を買い戻すべきと語った。
国際仲裁裁判所の裁定を受けて、スズキとVWは30日に資本提携解消を発表。スズキの鈴木修会長は同日開いた会見で、買い取り価格についてはまだ明確に決まっていないとした上で、裁定が出た時点の終値ということも考えられるが、「極めて常識的な」価格になるとの見方を示した。
VWが保有するすべてのスズキ株(約19.9%分、1億1161万株)の買い戻し額は、28日終値ベースでは4600億円程度。今後、スズキの株価が上昇する場合は増額する懸念もある。スズキは2015年3月期末時点で1兆円ほど手元資金があり、持ち合いで保有しているVW株(約1.5%分、439万7000株)も売却し、自社株買い戻しの原資にする見込み。一方、VWは当初、約2200億円でスズキ株を取得しており、売却により利益が出る見通しだ。
サード・ポイントは7月31日付の投資家向け書簡でスズキ株の保有を明らかにしたが、投資額や保有比率は明らかにしていない。
(白木真紀、安藤律子)
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