スレッズで「客の愚痴」つぶやく飲食業界人の悲哀 実名や店の名前を出して…背景には猛烈なストレス?

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SNSでは自身と関連性の高い投稿がどんどん表示されるようアルゴリズムが組まれている。筆者は外食ライターという仕事柄、日頃から飲食店について情報収集をしているためこのような投稿が延々と出てくる。

スレッズでの愚痴投稿のサンプル
画像はイメージ。だが、こういった投稿は数多く見られる(編集部作成)

しかし、筆者のみならず飲食店関係者に話を聞くと多くの人に同じ現象が起きており、よくよく聞けば飲食の関係者のみならず一般の外食好きのThreadsも同様のようだ。

「なぜThreadsは飲食店経営者の愚痴ばかりなのか」という疑問を投げかける投稿も何度も見た。新しいSNSを楽しもうと始めたものの、開けば愚痴だらけのThreadsにうんざりして離れていった人も多いのではないだろうか。

さらに驚くのが、それらの多くが実名の発信であることだ。店や店主の名前を出したアカウントで上記のような愚痴が書き込まれている。たとえ店側に非がなく、言っていることは事実や正論だったとしても、他人を貶めるネガティブな発信をしていること自体が店や店主自身のイメージを損なう可能性もある。

愚痴を言いたくなるのもわからなくないが…

飲食店がこのような愚痴を吐く気持ちもわからなくもない。

近年、飲食店を取り巻く環境はますますハードでストレスフルなものになっている。飲食店側が客の愚痴を言えば目立ってしまうが、そもそも客側は「口コミ」によりつねに飲食店の不満を言いたい放題なのである。こうした不均衡にストレスを感じる飲食店経営者がいるのは想像にかたくない。

SNSの功罪もある。SNSによって売り上げが伸びたという店がある一方で、SNSが望まぬ客を寄せ付けることもある。

Threadsにある愚痴で多い話題の一つである「ワインがウリなのに無料のお冷やを要求された」のようなことは、客と店のミスマッチの問題だ。SNS上で店の意図しないかたちで紹介されることにより、本来はターゲットではない層に店が知られ来店してしまう。

加えて、昨今の物価や人件費の高騰など、さまざまな社会背景の変化もあり経営はどんどんハードになっている。飲食店経営者の気苦労は計り知れず、愚痴の一つや二つ、言いたくなるのは否定できないが……。

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