日経平均2万円割れ後の買い手が不在に 不安心理が増幅
[東京 21日 ロイター] - 21日の東京株式市場で、日経平均株価<.N225>終値は約3カ月ぶりの安値水準まで下落した。リスク回避ムードが漂うなか、後場には先物への仕掛け的な売りに押される展開が続いた。この下値を模索した「買い手不在」の現実は、投資家の不安心理を増幅させている。
米系証券は売り越し
「いや、ひどいですね、これは。気が滅入ります」──。午後3時、日経平均が安値引けとなったのを目に、大手証券のトレーディング担当者は、ため息交じりにつぶやいた。寄り付き前にシカゴの日経平均先物が1万9600円台まで下落していたこともあり、2万円割れは避けられない情勢だったが、後場の崩れ方は想定の範囲外だったようだ。
21日の先物手口をみると、主に米国系証券の売り越しが目立っている。日経225期近ではJPモルガンが差し引き2554枚、TOPIX期近ではゴールドマン・サックスが同4282枚の売り越しとなっている。
市場ではCTA(商品投資顧問業者)とみられる短期売買の影響に加え、イベント・ドブリン系ヘッジファンドによるTOPIX先物の投げの観測も聞かれた。
短期筋の売買を反映するとみられるABNクリアの手口は、ともに買い越しとなっている。だが、日経225期近では売りで4万8775枚、買いで5万2604枚となっている。「ABNクリアによる売買がいつもより膨らんでいる。安くなったら買いが入るというのが寄り付き前の『合言葉』のようになっていたが、結局は誰も買おうとせず、短期筋の仕掛け的な動きに翻弄(ほんろう)される結果となった」(国内証券トレーダー)という。