子どもの「野球離れ」は、もう止められない 父よ、息子とキャッチボールしていますか

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硬式野球は、子どもたちが普通にやっている軟式野球と違い、硬式球を使用するので、学校の部活動にはない。いわゆるクラブチームだ。日本全国で約1500チーム、3万人ほどがプレーしているという。硬式の高校野球にすぐに対応でき、その先にはプロ野球も見えているし、硬式少年野球出身のプロ野球選手は多い。個人と団体の違いはあるが、硬式少年野球は「プロ」を意識するジュニアゴルフと似た環境にあるようだ。

幹部の話によると、現在は中学生の選手数はそう減ってはいないのだが、その下の学童や小学生の選手数が減少して、チームが成り立たなくなっているケースも目立つという。少子高齢化がスポーツ界に及ぼす影響を懸念する声があるが、小学生の野球人口減少のスピードはそれ以上だといい、原因はそればかりとはいえないらしい。

「サッカーにいく子どもが増えてきたことが大きいけど、それよりも今の小学生ぐらいの子どもの父親がキャッチボールをしなくなっているのが原因じゃないかと思う。お父さんとのキャッチボールが野球への入り口になる。キャッチボール、してくれないかなあ」とため息をつく。野球を題材にした名作映画「フィールド・オブ・ドリームス」の世界がしばらくしたらなくなりそうだ。

野球人口減少の原因は父親とのキャッチボールにある?!

筆者が子どもだった半世紀近く前は、子どものスポーツと呼べる遊びといえば野球ぐらい。小学校のクラスで野球チームを作って他クラスと試合をしたり、他校と対戦したりした。適当な空き地もあったし、学校のグラウンドを使うのもそう厳しくなかった。けがをしても、させても自己責任(そんな言葉は知らなかったが)だったし、「夕焼け小焼け」の音楽が流れるとグラウンドを出るというルールぐらいしかなかったように記憶している。

いまは空き地が少なく、公園やグラウンドの規制も厳しい。小学生ぐらいの子どもを持つ親が子どもの頃から趣味が多様化してきたのも一因なのだろうか。野球も今や遊びから自然発生的に始めるのではなく、ゴルフのような特殊のスポーツと同じように「親が始めさせる」ようになってきているらしい。かつての超メジャーなスポーツが、小中学生を取り込むことに頭を悩ませている。

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