「友達づくりは運」と考える人が孤独になる必然 大人が友達を作る「受け身でない」方法とは

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人とのつながりは、人類にとっての基本的な価値であるにもかかわらず、社会においてはそうなっていません。

私たちは、社会学者のエミール・デュルケームが「アノミー」と呼ぶ状態に生きています。つまり、人が繁栄のために必要とするものと、社会的規範とされるものとの間にある隔たりです。

人類学者のセバスチャン・ユンガーは、著書『Tribe: On Homecoming and Belonging』(『種族:帰郷と帰属』、未邦訳)の中で、次のように結論づけています。

「私たちの社会は、反人間的だ。(中略)この社会はよそよそしく、厳密で、冷淡で、不可解だ。人間として私たちが基本的に抱く欲求は、他者のそばにいることだが、社会はそれを許さない」。

その結果どうなったでしょうか? 2013年に行われた、合計17万7653人を対象にした研究277件のメタ分析から、友人のネットワークはここ35年間で、縮小の一途をたどっていることがわかりました。2000年代を生きた人は、1980年代前半を生きた人と比べて、友達の数が平均で4人少ないのです。

別の分析では、友達がいない人の数は、1990年と比べて2021年は4倍になりました。男性にとって状況はより深刻で、友達がいない人の数は、1990年と比べて2021年は5倍に達しています。

恐らくは自分が成長してきた過去の記憶から、友情は自然発生的に生まれるものだと私たちは思い込んでいます。かつては実際にそうだったからです。

でも、もうそうはいきません。友達をつくり、維持したければ、何世紀にもわたって私たちの生活を少しずつ汚染してきた「つながりの分断」という潮流に逆らって泳ぐ必要があります。こんなに大変だなんて、まったくもって不公平です。

でも、人類史上もっとも友達づくりが難しい時代にありながら、うまく友達をつくるためのツールをあなたが身につけられるよう、私がお手伝いします。

友達は自然にできるものではない

シンプルですが、驚きでもある事実はこうです。大人になってから友達をつくるには、自分から働きかける必要があります。自ら行動を起こして、トライしなければいけません。

一言で言えば、何度も繰り返し手を差し伸べるというプロセスです。いいなと思った人に出会ったら、電話番号を聞いてきてくれないかなと願いながらそのままにしてしまう代わりに、チャンスをとらえて相手の電話番号を聞く、ということです。

キャット・ヴェロスは著書『We Should Get Together: The Secret to Cultivating Better Friendships』(『仲よくしませんか:良好な友情を育む秘訣』、未邦訳)の中で、つねに自分から働きかけることで、いかにして友情の方向性を変えたかを説明しています。

「人間関係を育む基本でありながら非常に重要な点は、相手にフォローアップの連絡をすることと、元気かと連絡を取ること。私は旧友と新しい友達のどちらに対しても連絡をするよう、スマートフォンにリマインダーを設定しています」

友情は自然と湧いてくる―—宇宙のエネルギーがあなたに友達を授けてくれる—―ものだと思い込むのは、友達づくりの妨げとなります。そう思っていると、意図的に友達をつくろうとしなくなってしまうからです。

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