「友達づくりは運」と考える人が孤独になる必然 大人が友達を作る「受け身でない」方法とは

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カナダのブランドン大学で心理学を教えるナンシー・E・ニューオール准教授は同僚らとともに、友達は努力でつくるものか、運でできるものか、どちらを信じているかによってどのような違いがあるのかを知るべく、高齢者を対象に調査を行いました。

友達づくりは運によると考えていた人は5年後、前より孤独になっていた一方で、友達づくりには努力が必要だと考えていた人は、そこまで孤独ではありませんでした。

理由は何だったのでしょうか? 努力が必要だと考える人は、友達や家族に会いに行ったり教会に行ったりなど社会的な活動を多くする傾向にありました。そしてこうした社会的な活動に関わることで、友達ができたのです。

どのように働きかけるかは、自分で選べる

友達をつくるには、自分から働きかけなければいけません。とはいえ嬉しいのは、どのように働きかけるかは、自分で選べるということです。

もしかしたら、都市型農業従事者の交流イベントや、サイクリング・クラブで8キロ自転車に乗るイベントは、あなたのスタイルではないかもしれません。単に人の集まりや交流イベントに参加するだけが、自分から働きかけることではありません。

『FRIENDSHIP(フレンドシップ)友情のためにすることは体にも心にもいい』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

内向的な人に向いている戦略に、旧友に連絡してみる方法があります。また、もっと仲よくなりたいなとずっと思っていた知り合いに連絡してみるのもいいでしょう。

このふたつは、特に私のお気に入りです。というのも、どんな人か精査が済んでいる相手であるうえ、知り合いならすでにしっかりとしたつながりがあるからです。

タラとミカは、職場で知り合った友達でした。出会ってからすぐにミカは仕事を辞めてしまったのですが、その後、インスタグラムでフォローし合いました。お互いのストーリーズにコメントし、ラポールを築いていたそんなとき、一緒にランチでもしようよ、とタラがミカを誘いました。

テクノロジーという緩衝材のおかげで、以前よりずっと楽に働きかけられるようになっています。

同僚をコーヒーに誘うのも、自分から働きかけることになります。一緒にいて楽しいけれど、職場以外では会ったことがない相手です。

ほかにも、草の根スポーツに参加する、習いごとを始める、自分が情熱を注げる何かしらの組織に関わる、などで友情を育める環境につねに自分の身を置く方法もあります。

ほとんどの人は、友達づくりには受け身のアプローチを取りがちですが、ニューオール准教授の研究によると、それを変えなければいけません。私が「堂々とした働きかけ」と呼ぶ姿勢でアプローチすることが必要になります。

マリサ・G・フランコ 心理学者、フレンドシップ専門家

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まりさ・じー・ふらんこ / Marisa G. Franco

メリーランド大学でカウンセリング心理学の博士号を取得。現在、同大学で教授として勤務するかたわら、心理学に特化したメディアPsychology Today(サイコロジートゥデイ)に寄稿している。また、心理学者としてNew York Times紙、NPR(アメリカ公共ラジオ放送)などへのメディア出演や、全米の企業や大学、非営利団体での人間関係に関する講演なども行っている。

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松丸 さとみ 翻訳者・ライター

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まつまる さとみ / Satomi Matsumaru

学生や日系企業駐在員としてイギリスで6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて翻訳・ライティングを行なっている。訳書に『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』や『感情戦略』(いずれも日経BP)、『マンガで読むジェンダー入門』(いそっぷ社)などがある。

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