東海道新幹線の"後継車両"はいつ現れるのか 「N700系」の改造完遂で気になる次の動き
どうやら、700系では車両のライフサイクルを13~15年程度に決めているようだ。700系は2004年を最後に製造されていないので、ライフサイクルから計算しても、2017~2019年あたりにすべての700系が姿を消すことになる。
とすると、700系の退役が進む中で、不足車両をどうするのかということが問題となってくる。現在のN700Aを2017年以降も引き続き投入するという可能性もなくはないが、さらなる新型車両が登場するのか気になるところだ。
東海道新幹線は、1964年の0系を皮切りに、1985年の100系、1992年の300系、1999年の700系、2007年のN700系、2013年のN700Aと数年おきに新型車両が登場している。
700系とN700系は名前こそ似ているが、性能面ではほぼ別物だといってよい。一方で、N700Aは新型車両というより、むしろN700系のバージョンアップ版というべきであろう。
「設計の自由度向上」が意味するもの
今回の改造工事に続き、新型車両投入のような次の大きな節目はあるのかという質問に対し、上野雅之・新幹線鉄道事業本部車両部長は「車両になるかサービスになるかはわからないが、さらなる進化を追求していく」と述べるにとどめる。
なんだか、お茶を濁したような回答だが、重要なヒントは隠されている。現在、JR東海は電機メーカーと組んで、パワー半導体素子に次世代半導体素子である炭化ケイ素(SiC)を採用した車両駆動システムを開発中だ。このシステムを導入した車両は従来の車両と比べて重量が約2割、1編成当たり10トン軽くなるという。
その効果は単なる省エネルギーにとどまらない。「駆動システムが小型化されるため、機器配置の制約が緩和され、設計の自由度向上につながる」と担当者は語る。設計の自由度向上――。つまり、新たな車両駆動システムは、新型車両の可能性を秘めているのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら