東海道新幹線の"後継車両"はいつ現れるのか 「N700系」の改造完遂で気になる次の動き

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一般的なN700Aの車両側面

さらにN700Aは、線路の勾配やトンネルによる影響を予測しながら運行速度を自動制御する定速走行装置を搭載している。主に、ダイヤが乱れた際の遅れを早期回復するために用いられる。今回の改造工事では定速走行装置もすべてのN700系に搭載された。

改造工事に要した費用は230億円。1編成あたり2.8億円だ。N700Aの1編成当たりの製造費用(補修部品含む)が48億~49億円であることを考えると、N700Aを新造するよりも既存車両を改造するほうがはるかに安上がりということになる。

8月5日時点でJR東海が保有する新幹線の営業用編成は132編成ある。内訳はN700Aが21編成、N700系が80編成、700系が31編成である。JR東海は2017年3月末までにN700Aをあと10編成導入して、31編成に増やす計画だ。

一方、N700Aの増備に押し出される形で、700系は順次退役となる。700系の営業運転開始は1999年だ。ピーク時にはJR東海の顔として60編成が走っていたが、その保有数は現在では31編成と半減。N700Aがあと10編成増えるのであれば、700系はさらに20編成程度まで減少することになる。

新型車両はいつ登場する?

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完遂式に姿を現したN700系は「A」の文字が小さかった

新幹線車両は、車両をバラバラに分解して徹底的に検査する「全般検査」の定期的な実施が求められている。全般検査の周期は走行距離120万キロメートル以内、あるいは3年のいずれか短い期間だ。

「現在走っている700系の全般検査は来年で終わりになる」と同社の担当者は言う。ということは、営業用の700系は2019年ごろには姿を消すことになる。

電車の税法上の耐用年数は13年と定められている。現実には13年経っても元気に走っている電車はいくらでもあるが、初期に製造された700系車両は2013年ごろから廃車が始まっている。

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