開業1周年「宇都宮ライトレール」の未来と課題 利用者多く延伸にらむが、足りないインフラも

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宇都宮芳賀ライトレール線は、開業初日から好調な出だしで、当初は始発駅でも混雑状態。乗車することが難しく、1本列車を見送ってから乗ったほうがいい。と思われるほどだった。

その人気ぶりに、2023年10月23日に朝の時間帯、一部列車の時刻変更、夜間時間帯の増発を行うなど、ダイヤ改正を実施した。その後も、2024年4月1日に快速列車を誕生させ、大規模なダイヤ改正を実施している。開業後1年も満たないうちに、大小複数回もダイヤ改正を行うのは、異例の対応といえるだろう。

そこで、宇都宮芳賀ライトレール線の運転など事業運営を担う、宇都宮ライトレール経営企画課の担当者に、快速運行や停留場など施設面について聞いてみた。

――平日のラッシュ時間帯に快速運行があるが、今後拡大していく可能性はあるのか。

「ありがたいことに朝のピーク時間帯は多くのご利用があり、直近の7月22日にもダイヤ改正を実施しました。今後も利用状況を見極めながら、快速運行の拡大についても検討していきます」

――利用者が非常に多いが、停留場やホームの清掃などは、どのように行っているのか(清掃スタッフの有無、管理についてなど)。

「停留場の清掃については、当社宇都宮ライトレールが担っており、巡回での軽清掃に加え、外注による清掃を、定期的に行います」

他交通との連携はどうなっているか

ラッシュ時間帯は、宇都宮駅から芳賀・高根沢工業団地へと向かう通勤や、通学の利用が多く、昼間の時間帯は、宇都宮市街地へ買い物に出かける利用も多い。宇都宮駅周辺と平石停留場の輸送は、市内を回遊する観光客にも好評で、一日乗車券(大人1000円)を使用して、乗り降りを楽しむ人の姿も、よく目にする。

では、この宇都宮芳賀ライトレール線の目的の1つである、他交通との連携はどのように行っているのだろうか。まずは、芳賀町付近の交通事情を、軌道整備事業者である芳賀町企画課みらい創生係の担当者に聞いてみた。芳賀・高根沢工業団地からの交通について、街と協議をしてコミュニティバスやデマンド交通の予定はあるかという点には以下のような回答があった。

「芳賀・高根沢工業団地からの交通については、現在宇都宮ライトレールとの協議により、コミュニティバスやデマンド交通の導入を検討しているものはないが、LRT開業に伴うバス路線の再編を実施した際、『芳賀工業団地循環線』という循環バス路線を新設し、ジェイアールバス関東に運行いただいています」

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