【産業天気図・精密機器】デジタル一眼レフ活況や円安効果で業績上方修正続出も

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精密機器業界の好況が続いている。デジカメは04年末に業界全体で大規模な在庫調整が起こり下位数社が赤字に陥ったが、その後は松下電器産業<6752.東証>が「手振れ補正機能」でヒットを飛ばしたのに続き、富士写真フイルム<4901.東証>が「高感度」を武器にシェアを拡大。今年はカシオ計算機<6952.東証>の1000万画素デジカメが人気を博すなど、各社が特徴のある製品を次々と投入。需要が喚起され、市場は堅調に推移している。
 また、9月にソニー<6758.東証>と松下がデジタル一眼レフに参入。これに対抗するように、キヤノン<7751.東証>やニコン<7731.東証>、ペンタックス<7750.東証>などカメラ各社も新製品を発売する。デジタル一眼レフは高単価で収益性が高いため、各社の収益の追い風になりそうだ。
 個別企業で好調さが目立つのはキヤノンとニコン。両社ともデジタル一眼レフでシェアが高いのが特徴だが、キヤノンは出遅れていた高速カラー複合機を下期に投入するなどで今後の攻勢が予想される。ニコンは半導体、液晶露光装置がそれぞれ好調で、上期・通期ともに業績上方修正が必至だ。
 オリンパス<7733.東証>の健闘も注目すべきだろう。上期に本格発売した内視鏡の新製品群が好調のうえ、デジカメの採算改善も順調。会社側が計画する業績見通しを上回る可能性がある。欧米を中心に複写機が好調に推移しているコニカミノルタホールディングス<4902.東証>も、通期業績は上振れする公算だ。
 精密大手各社は海外売上高比率が高いため、円安も今期の業績の押し上げ要因になりそうだ。  
【吉川明日香記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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