証券市況の低迷長期化で野村HLDの12年3月期、13年3月期東経予想を減額、不採算の欧州リストラ断行で背水の陣

証券市況の低迷長期化で野村HLDの12年3月期、13年3月期東経予想を減額、不採算の欧州リストラ断行で背水の陣

野村ホールディングスが11月1日に発表した2012年3月期4~9月期(上期)決算では、国内外の証券市況の悪化に伴うトレーディングや株式引き受け業務の不振により、上期の税前利益が103億円の赤字、純利益が283億円の赤字となった。

これを受けて、東洋経済は、12年3月期通期の業績予想を従来の税前利益1000億円(前期比7.2%増)、純利益500億円(同74.5%増)から、それぞれ500億円(同46.4%減)、150億円(同47.7%減)へ下方修正する。通期配当予想の8円は据え置く。来13年3月期についても、従来予想の税前利益1200億円、純利益600億円を、それぞれ1000億円、500億円へ引き下げる。

部門別に見ていくと、まず安定的な収益を稼いできた国内主体の営業部門が11年7~9月期(第2四半期、以下2Q)から大きく失速。2Qの税前利益は107億円と4~6月期(第1四半期、1Q)比でほぼ半減した。欧州危機を背景とした市場環境悪化や円高で、外国物中心に投信販売が落ち込んだことや、国内株の低落で株式委託手数料が減少したことが大きい。ブラジルなどハイイールド投信の運用成績が落ち込み、顧客の資産価値が減少。営業現場は顧客のコンサル対応に追われ、必然的に投信販売量が振るわなかったようだ。

10月~12年3月期(下期)も大きな改善は見込みにくい。会社側は、外債の販売は堅調が続いており、新規公開や増資の引き受け株の販売が多少増える可能性を指摘。さらに営業部門でも費用見直しをするとしているが、利益を押し上げる力は限定的と見られる。

同様に、収益が安定していたアセット・マネジメント部門も、2Qの税前利益は1Q比37%減の47億円と急ブレーキ。市況悪化で運用資産残高(1Q末比10%減の22.7兆円)が減少したことで信託報酬が落ち込んだ。

公募投信の資金流出入では、2QもETF中心に3000億円近い純増となっており、公募投信シェアも21.9%と横ばいを維持しているため、競争力が低下しているわけではない。ただ、問題は市況悪化や円高の影響であり、下期についても、運用資産残高が一気に1Q並みに戻るような展開は見込みにくい。

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