この会社、創業当初は東京に本社を置きましたが、その後、関西に拠点を移しました。大阪市西区の高層ビルに事務所を構えています。
スペイン人のイバイ・アスメトイ社長は、流暢な日本語でその移転の理由を語ってくれました。
「日本に行ってみたいという外国人は、まず東京に行きます。それに対し、大阪、京都に行きたいという外国人は、それだけ深い理由があるのです。大阪の食文化を学びたい、京都の伝統を学びたいと思っています。だから関西には優秀な外国人が多いのです。しかも家賃が東京より安いので、長く住む傾向にあります。安定したよい人材を確保するのに最適なのです」
日本のソフトを自国の言葉に翻訳
パソコンがひしめく事務所では、30人の外国人が、日本のソフトを自国の言葉に翻訳しています。皆さん、明るく陽気で笑い声が絶えません。
国籍は欧米を初め、アジア、中東など12カ国に及びます。国の数が多いのは、その国情によって微妙に顧客のニーズが異なるからです。ドラえもんが人気の国もあれば、受け入れられない国もあります。
スーパーマリオを楽しくゲームする子どももいれば、競争はいけない、と教えられている子どももいるかもしれません。そうした国々による違いを、その国出身の社員が市場調査をし、売れるかどうかを見極めたうえで販売しています。それで、世界中の大勢のファンを獲得しています。究極の「グローカリゼーション(地域の風習・文化に応じた商品提供)」です。
イバイ社長が来日したのは15年前。ゲーム、アニメ、マンガといった日本のサブカルチャーのポテンシャルを、身を持って実感したと言います。
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