南海「聖地の玄関口」高野山駅、知られざる裏側 バスが発着する駅前ロータリーの地下には…

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通勤通学の足としての性格が強い高野線の橋本以北の駅とは、ずいぶんと雰囲気が異なるが、どのような利用の特徴があるのか。高野山・河内管区高野山駅長の丸谷紀文さんは「ゴールデンウイークなどの観光シーズンが繁忙期で、秋の紅葉の時期はいちばんにぎわいます」と説明する。根本大塔に続く蛇腹路の紅葉が有名だ。

「8月のお盆の時期もお墓参りにいらっしゃる方が目立ちます。一方で初詣客は少ないですね。私も正月に金剛峯寺に行きますが、御朱印を押しに来る人はいても数は多くないです」(丸谷駅長)

丸谷駅長はふもとの橋本市の出身。1992年に南海電鉄に入社し、河内長野、橋本、堺東などの駅で勤務してきた。2023年10月に高野山駅長に就く前は関西空港の駅長だった。「東京、京都、高野山と巡る外国人客が多い」といい、高野山駅を難波や関西空港に並ぶ南海電鉄の重要拠点と位置付ける。

南海高野山駅 駅長
高野山・河内管区高野山駅長の丸谷紀文さん(記者撮影)

フランス人に大人気?

高野山内でとくに目立つのが、精進料理や宿坊といった日本文化体験を目当てに訪れる欧米系の観光客の姿。2009年に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で3つ星を獲得した影響でフランス人に人気が高いようだ。

高野線の山岳区間で特急こうやの車内で流れる案内放送は日本語、英語に次いでフランス語。和歌山県の2023年の観光客動態調査によると、国・地域別に見た高野町の宿泊客数はフランスが1万3899人泊で、アメリカ(8101人泊)の約1.5倍と突出している。

国内外から年間約140万人が足を運ぶ高野山でも「オーバーツーリズム」による道路渋滞などの問題が指摘されている。高野町は2028年4月までに「訪問税」といった法定外税を導入する方針。電車やケーブルカー、バスといった公共交通機関の役割はこれまで以上に増すことになりそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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