医療再生と震災復興を訴え、東京の町中を医師らがランニング
医師や歯科医師らが、震災復興と医療再生のための診療報酬大幅増額などを求めて東京都内の大通りを駆け抜ける--。10月29日土曜日にこんなイベントが行われる。
主催するのは、「ドクターズランニング東京実行委員会」。当日は、呼びかけ人でもある全国医師ユニオンの植山直人代表(老人保健施設みぬま施設長)や拝殿清名・東京保険医協会会長(新小岩北口診療所長)、女優としても活躍中の一青妙・歯科医師らが、スタート地点である東京・池袋の街頭で、医療再生や震災復興への支援を市民に向けて訴える。
あわせて、池袋東口五差路交差点前をスタート地点に、新宿を経由して渋谷駅前までのランニングが予定されている。実行委員会では現在、ランニングへの参加者を受け付けている(申し込み先は東京民主医療機関連合会、TEL03−5978−2741)。
イベントはランニングとウォーキングに分かれており、ランニングでは9キロメートル、4.5キロメートル、2キロメートル、ウォーキングでは2キロメートル、500メートルなど。体力に応じて参加することが可能だ。
このイベントは11月20日に東京・日比谷野外音楽堂で予定されている「ドクターズデモンストレーション2011・震災復興・医療再生ドクターズ・ウォーク」のプレイベントの位置づけでもある。
本イベントのドクターズデモンストレーションでは、医師・歯科医師約1000人、医療従事者・市民約2000人によるドクターズウォーク(集会とデモ)が計画されている。
ドクターズデモンストレーションの呼びかけ人の一人である前出の植山代表は、一連のイベントの意義を次のように説明する。
「医療崩壊が国民の間に認識されて5年ほどたつが、医師や看護師など医療従事者の疲弊や医療機関の経営悪化、家計の事情で診療を受けられない患者さんの増加など、問題は一向に解決していない。震災復興でも多くの医療機関が置き去りにされている。そうした実情をぜひとも知っていただきたい」
植山氏によれば、「国民皆保険が実現した50年前の1961年には東京に約8000人の医師が集まり、白衣を着てプラカードを持ってデモを行った」という。しかし、医療費抑制政策が本格化した80年代以降、医師や歯科医師は自ら率先しての街頭行動を行っておらず、「本格的なデモは50年ぶりになる」(植山氏)。
ドクターズランニング開催説明の記者会見で拝殿・東京保険医協会会長は、「日本では医療費の自己負担割合が3割に引き上げられたことを機に、きちんと治療を受けられない人が増加している」と指摘。深沢英一・東京歯科保険医協会事務局長は「2010年には東京都内で歯科医院数の減少が起きている。患者の受診抑制が響いている現状がある」と語った。イベントを通じてこうした実態を世の中に伝えたいという。
ドクターズデモンストレーション2011年実行委員会の連絡先は03−5825−6138(全国医師ユニオン事務所内)、ホームページアドレスは、http://dd2011.union.or.jp
写真:ドクターズランニングの趣旨を説明する植山直人代表(中央、10月26日)
(岡田 広行 =東洋経済オンライン)
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