「涙が出てくる」韓国人絶賛した日本人歌手の正体 テレビでJ-POPが放送されるようになった背景

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は、『日韓歌王戦』の放映が始まった時、業界では視聴者の反応を心配する声もあがっていたという。ベテランの芸能担当記者の話。

「Z世代では『YOASOBI』などのJ-POPに人気が集まっていますが、それをお茶の間に放映するというのはかなり冒険だなあと思っていました。視聴率も低調におわるだろうとこの実験を見守っていたのですが、いざ放映されたら想像を超える人気に驚きました。

これは、日本の歌手たちが、歌がうまいのはいうまでもありませんが、韓国の歌手のようなテクニックで歌うのではなく、純粋に歌が好きで、歌に真摯な姿に韓国の視聴者が感動を覚えたのだと思います。そして、中高年層が若い頃に聞いていた80年代の日本の曲が多かったのも視聴者の思い出をくすぐったのではないでしょうか」

「スラダン」から日本コンテンツ人気続く

日本のエンタメ人気が韓国で目に見えて急浮上したのは昨年からだ。映画『THE FIRST SLAM DUNK』が空前の大ヒットとなり、その人気は同時代に漫画のファンだった中高年世代からZ世代へと広まった。主題歌を歌った「10-FEET」の人気も上昇し、韓国でコンサートも開くまでに。

映画が大ヒットしていた2月には、TikTokなどのショート動画から人気が上がっていたシンガーソングライターの「imase」の「NIGHT DANCER」が韓国最大のサブスクリプションサービスチャート「Melon」でトップ20入りした。

そして、圧倒的な人気となったのは、2人組のユニット「YOASOBI」だ。アニメ『推しの子』の主題歌「アイドル」をK-POPスターがショート動画で紹介すると、ファン層はコアから一般へと一気に広がった。昨年12月に行われた「YOASOBI」のコンサートは発売後1分で完売している。

ただ、このあたりまではSNSに慣れ親しんでいるZ世代限定の話とされてきた。それが、ケーブルテレビとはいえ、日本の歌が日本語のままお茶の間に披露されて人気になったことは、韓国では「驚きの出来事」だった。

韓国日報は「韓国では日本の80年代の歌を聞き、日本では韓国ファッションに熱狂。韓日文化のボーダレス時代」へで「国内のテレビで日本語の歌が放送されること自体がまれなことで日本の歌手がテレビで日本語で歌う歌が話題を集めたことも初めてのことだった」(8月5日)と書き、朝鮮日報は「かつては“倭色”と指さされ…今は日常になった日本の歌」(8月2日)というタイトル記事でその背景を大衆文化専門家の言葉を引いてこう見立てた。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事