ユニクロに変調、「一転して独り負け」の深層 既存店売上高は2カ月連続で前年割れに
昨年4月の消費税率引き上げの際にも価格表示を内税から外税に切り替えるなど実質値上げをしており、これ以降、客数は前年割れになる月が増えていた。
これまでは客単価増で客数減を補う構図が続いていたが、今回は本体値上げになるため、難しい舵取りが求められる。
柳井正・会長兼社長は、値上げの影響について「(客離れを)及ぼさないと思う。円安もあり、日本で売っている商品は世界で一番安い」とあくまでも強気な姿勢を示す。そのうえで「付加価値が認められない限り、売れない。われわれはよりよい品質を目指したい」と商品の質をさらに上げることで、消費者から支持を得たい考えだ。
「GAPのほうが安い」との声も
とはいえ、価格政策は一歩間違えば命取りになる。ユニクロではすでに3990円+消費税のジーンズを4990円+消費税にするなど、一部商品で値上げを始めている。総額だと1本約5400円になるデニムズボンに対しては、ネット上で「めちゃくちゃ高い。GAPのほうが安い」との声も出ている。
値上げをめぐっては、ユニクロと同じく業界の勝ち組だったユナイテッドアローズが、昨年の秋冬商品でシャツなどベーシック商品まで値上げに踏み切ったことで、一部顧客が離反。2014年度は最高益の更新を見込んでいたが、一転して6年ぶりに営業減益に落ち込んだ。同社の竹田光広社長は「商品価値と価格のバランスがうまくいっていなかった」と反省する。
移ろいやすい消費者の志向をつなぎ留め、再び成長路線に戻ることができるか。8月以降の戦い方がユニクロの今後を左右しそうだ。
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