アサヒ、キリン、サッポロの決算を分析 どこが上方修正し、どこが下方修正したのか
[東京 5日 ロイター] - ビール大手3社の2015年1―6月期(上期)決算が5日、出そろった。上期の国内ビール系飲料(ビール、発泡酒、新ジャンル)では、キリンホールディングス<2503.T>が6年ぶりにシェアアップを果たすなど、復活を印象付けたが、ブラジル事業の不振により、通期の売上高計画を下方修正。
一方のアサヒグループホールディングス<2502.T>は、国内ビール系飲料こそ計画未達だったが、新規連結や好調な洋酒が寄与し、通期売上高見通しを上方修正した。
アサヒ、国際会計基準に備えて資産の整理も
アサヒは15年12月期の連結売上高計画を1兆8500億円から1兆8600億円(前年比4.2%増)に上方修正した。奥田好秀常務・CFOは「新規連結を足すだけでももうちょっといけるが、豪ドル安・円高になっており、若干保守的にみている」と述べた。
売上高を上方修正した一方で、利益計画を据え置いたことについては「来年、国際会計基準を導入するに当たり、低稼働資産、不稼働資産の売却を進めていきたい。来年度以降の設備除却も前倒しで実施し、次期中計での負担を軽くすることを考えている」と説明した。
営業利益は1350億円(同5.2%増)の計画。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト13人の営業利益予測の平均値は1366億円となっている。
1―6月期の連結売上高は同5.6%増の8568億円で4期連続の過去最高となった。営業利益は同8.3%増の472億円で、430億円(前年同期比1.5%減)の減益予想から一転して増益を確保。上期としては2期連続で過去最高益となった。ビール類の販売数量は計画未達だったものの、「マッサン」効果でウイスキーが計画を上回り好調に推移。洋酒部門は45%の増収となった。