アサヒ、キリン、サッポロの決算を分析 どこが上方修正し、どこが下方修正したのか
キリンは、通期の連結売上高計画を2兆2700億円から2兆2200億円(前年比1.1%増)に引き下げた。ブラジルでの販売数量減少や為替レートの見直しを行ったことが主な要因。
ブラジル事業について、磯崎功典社長は「強い地域、強い業態、強い商品カテゴリーに経営資源を集中する。天領とも言える北部・北東部においてシェアの回復に努める」とした。CEOも交代し、営業面での改善を図っていくという。
売上高は下方修正したが、ビール類の販売数量増やコスト削減、医薬部門の伸長などから、営業利益計画は1390億円(同21.3%増)を据え置いた。アナリスト9人の営業利益予測の平均値は1350億円となっている。
1―6月期の連結営業利益は前年比15.3%増の579億円になり、会社計画の540億円を上回った。海外事業でののれん償却額が減少したほか、医薬・バイオケミカルも増益に寄与した。
国内ビール類の販売は計画を上回ったものの、販売促進費が増加。日本総合飲料は増収減益となった。
サッポロ、1―6月期は営業赤字
サッポロホールディングス<2501.T>の15年1―6月期は、連結売上高が前年同期比2.5%増の2458億円と5期連続増収だったものの、連結営業損益が12億円の赤字(前年同期は10億円の黒字)となった。
新ジャンルの「麦とホップ」を中心に国内ビール系飲料の販売数量が前年同期比8%減と下振れた。国内酒類事業は、減収・営業赤字となっている。また、銀座に保有するビルの再開発や大手テナントの撤退などから不動産事業も減益となった。
上條努社長は「新ジャンルが大きく落ちたのは1―3月期」と述べ、回復基調にあることを強調。不動産事業についても「恵比寿ガーデンプレイスは年末に向けて稼働率がほぼ100%になることが見えてきた」とし、通期業績見通しは据え置いた。
2015年12月期の連結売上高は5457億円(前年比5.2%増)、営業利益は163億円(同10.7%増)の計画。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト7人の営業利益予測の平均値は156億円となっている。
(清水律子 編集:山川薫)
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