立ち食いそばに「100万円の机」実現させた発想法 「ルールよりゴール」で新しい発想が生まれる
流行するコラボには「違和感」が必要。そのためには遠いイメージの企業やブランドと組むほうがいい。
例えば、メルセデスがサントリーと組むと驚くし(なぜクルマとお酒が!?)、スターバックスとナイキでも驚くだろう(コーヒーとスポーツ!?)。ブランドとしての領域の遠さだけでなく、例えば規模の差でも、LVMHが京都の小さな西陣織企業とコラボしたりすると一体なぜ? という興味がわく。
ただし、「え、マジで!?」という驚きのあるコラボでも、ただ遠い業種だけではダメ。そこに深く納得できて心を動かすほどのコラボストーリーがあれば、「なるほど! いいね」という感動が世界中に広がる。
「良い違和感」が感動を生む
成功例を挙げよう。かつてナイキがヴァージル・アブローとコラボして、世界中を熱狂させた「THE TEN」。ラグジュアリーストリートの革命児がスポーツブランドと組んだスニーカーは空前のヒット作となった。
今でこそスニーカーとアーティストとのコラボは珍しくないが、当時は新しい試みで「良い違和感」があった。大企業が個人アーティストをフックアップするのも美しく、ストリートなモノづくり哲学をリスペクトし合う姿に世界は魅了され、「いいね」が広がった。
コラボの方程式はお互いの業種的な親和性よりも、感動を生む組み合わせを優先すること。そのためにも2つのブランドでどういうストーリーを描き、共感を生み、心を動かせるかでコラボ先を見極めたほうがよい。
良い違和感と感動をつくり出せるのが、良いコラボ先だ。
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