「部下を利用する」未熟なリーダーに欠けた視点 「優れたリーダー」ほど長けている2つの能力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これと少し似ていて、私自身、仕事も人生も「少し先の未来」を思い描くことの積み重ねであると考えています。よく「人生を予約する」とも表現するのですが、それは「人生計画を立てる」というほど大仰なことではありません。

少し先の未来について、「これをしたい」「こういうことが起こってほしい」「こういう方向に進みたい」と願ったときに、「これができる」「こういうことが起こる」「こういう方向に進める」というつもりでいれば、いざ、そのチャンスがやってきたときに見逃さずに済むという、その程度のこと。しかし、その程度のことが、なかなか侮れないのです。常に「そうなるつもり」で備えている人こそが確実にチャンスをつかめるといっていいでしょう。

また、少し先の未来を思い描くというのは、「最悪」を想定するということでもあります。実際、できる人ほど臆病であり、対策も含めて「うまくいかなかった場合」について考えているものです。もちろん、「最悪」は現実にならないのが一番ですが、それを想定しておけば、何があっても、たいていのことには冷静に対処できます。

特にリーダーの肩には、チームメンバーの人生が乗っかっています。その意味では、少し先の未来を思い描き、「そうなるつもり」でチャンスに備えること、あるいは何があっても冷静に対処できるよう、常に「最悪」を想定しておくこともまた、リーダーに求められる素養の1つといえます。

もし優れた上司に出会えたら

ここで視点を反転させて、現在、部下の立場にある人たちに伝えたいのは、仕事で尊敬できる人と出会ったら、その人に好かれる努力はいくら割いても無駄にはならない、ということです。

組織にはいろいろなリーダーがいます。「上司ガチャ」とも言われるように、部下は基本的には上司を選べないので、未熟な上司に当たってしまう可能性もあります。そこは難しいところなのですが、もし幸いにして優れた上司をもったら、どんどん食らいつき、かわいがってもらうことで、一緒に成功を味わえるだけでなく大いに学びになるでしょう。

後編に続く)

(構成・福島結実子)

齋藤 太郎 コミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

さいとう たろう / Taro Saito

慶應義塾大学SFC卒。電通入社後、10年の勤務を経て、2005年に「文化と価値の創造」を生業とする会社dofを設立。企業スローガンは「なんとかする会社。」。ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで、経営戦略、事業戦略、製品・サービス開発、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。サントリー「角ハイボール」のブランディングには立ち上げから携わり現在15年目を迎える。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事